15年で済んだ幕末維新、100年かかる21世紀の文明維新

こんにちは。今日は本暦(旧暦)六月二十九日。七夕まで、あと8日です。

◆明日は浜松、明後日は東京で講義します。お気軽にお越し下さい。

☆東林志塾(浜松)8月6日(火)講義開始は午後7時
日本人力を養うための「日本学」講座
日本には、眠っている底力があります。日本人が持っていた本来の考え方、感じ方、行い方を取り戻せば、日本は必ず甦ります。「和の哲学」講座の決定版!
第4回「太陽主義」後編~太陽の子として生きよう
日本人は、なぜ大日如来や阿弥陀如来が好きなのか。本物の指導者ほど「勿体ない」の心を持っている。日や火の止まりたる存在がヒト(人) 他
会場:21世紀倶楽部(静岡新聞社・静岡放送プレスタワー)
参加費:オブザーバー3000円
電話053・473・5715(事務局・野上孝さん)
→ hm813722@fsinet.or.jp

☆日本的経営の根本道場!経世志塾(東京)8月7日(水)午後6時~9時
「経営の神様は、こう語った」第5回
このままでは日本は衰微する。国会議員は今の半分でいい。国に経営がない。
日本に目標が無い。失うものがある人は恐くなって何もしない。他
さらに、国際情勢や政局などの時事問題、「経営問答」に話題を広げ、縦横無尽に「林節」を講義!
※江口克彦著『松下幸之助【随聞録】心はいつもここにある』PHP文庫を使用
会場:湯島天満宮 参集殿(文京区湯島)
参加費:5000円
事務局:株式会社 國立 関根國哲さん
fax 03-3802-8075 keisei-08@kunitachi.co.jp

●日記● 平成25年7月30日~8月5日

★☆トップの孤独感の原因

7月30日(火)、講義準備などのデスクワークを行う。

人を見るのは本当に難しい。相手の力量や心境を見ようとするとき、自分の経験や能力の範囲でしか判断出来ないという問題がある。

新米の部下だと、まだ組織をまとめた経験に乏しいため、なかなか上司の苦労が分からない。しかし、上司のずるさは見抜ける。ずるさの経験は誰にもあるからだ。

分かって欲しい事は分かって貰えず、見ないで欲しい点は、しっかり見られてしまう。その辺にトップの孤独感の原因の一つがあるのだが、いい側近がいてくれたら本当に救われる。愚痴や辛さを聞いてくれる側近だ。

これから軍師や参謀の時代になるから、是非とも側近学を学んで欲しいと思う。

★☆中国の教科書に驚く

7月31日(水)、中国の教科書に驚く。
小学2年生用に、唐の詩人・王之渙(おうしかん)の有名な詩、「鸛鵲楼(かんじゃくろう)に登る」が出ているではないか。

詩を綜観(林)が訳してみる。直訳すれば「輝く太陽は山に沿って沈み、黄河は海に向かって流れる。私は千里を見渡そうとして、さらに一階、楼閣を上がろうとしている」。

これに解説を加えれば、次のようになる。
「太陽は沈み、大河は下流へ向かう。自然界では、大きいものほど身を低くしていく。ところが人間界では、皆が地位や名誉を求めて背伸びし相争っている。もう私は、自分の世界を行くことにした。自然界も人間界も綜観(全体観)出来るよう、楼閣(=自分の世界)をもう一段登るのだ」。

この詩には老子や荘子の精神が反映している。こういう詩を、小学2年生が学んでいることに驚いた次第。中国が、老荘の精神に戻ってくれたら嬉しい。
儒家(孔孟)は「山」、道家(老荘)は「谷」。両方が腹に入ると、人間力が大いに高まるのだ。

★☆ここを見たら、任せられるかどうかが分かる

8月1日(木)、会津若松で「武士道」講義の2回目。
山鹿兵法が教える武将の気構え、人をまとめる上での心得などについて話す。世話役の野口さん、宮森さん、猪野さんが、毎回本当に顔晴ってくれている。

何かを任せられるかどうかで、あれこれ迷うことがある。
そういうとき綜観は、次の点を見るように心掛けている。

小さな約束を守れるかどうか。
時間を守れるかどうか。
仕事が早いかどうか(先手で準備し、早めに済ませていく)。
決めた事を続けられるかどうか。
言い訳や嘘を言うことが恥だと思うかどうか。
他人が見ていないところでも、手を抜かない誠実さがあるかどうか。
弱い相手や目下の者にも丁寧であるかどうか。

能力も大事だが、性格はもっと重要だ。
能力が足りなくても、志と愚直さがあれば、誰かが助けてくれる。
それに能力というものは、努力に応じて(それなりに)身に付いていくものだ。

しかし、性格に問題があるとトラブルが絶えなくなる。
折角の力量も、後ろ向きに使うことが多くなっていき、努力の割には足踏みが多くなってしまうのである。

★☆本格派の政治家が求められてきた

8月2日(金)、先日出張先でタクシーに乗ったら、運転士が「それにしても市長は骨が無いですね」と訴えてきた。スマートな雰囲気だけでは物足りなくなってきたということらしい。有権者が、次第に本格派の政治家を求めるようになってきている。

政治改革は政治家改革から。綜観が10年以上前から唱えてきたフレーズだ。スマート、シロウト、タレントが、今まで好まれた候補者像だったが、これから本物志向に大きく切り替わっていくだろう。

政治家としての世界観、人間観、国家観、歴史観、死生観などが、第一に問われることになる。そのための根本道場が林塾だ。

★☆聞くだけに終わらぬ、しっかり話しきったという高い満足感

8月3日(土)、もし松(もし現代に松下村塾があったなら)で講義。
会場は京都市中京区の町屋「ちおん舎」。
ちおん舎のご主人、西村吉右衛門さんの遠祖は平城京の工匠神人で、平安遷都に合わせて京都に移住されたとのこと。
講座全体のまとめ役は、綜學社・青年部長の大久保信克君(25歳)。

今日のテーマは「大局観」。歴史に学ぶ意義と文明800年周期論について述べた後、中国との外交問題について、参加者からあらかじめ出して貰っていた意見(10件)に応えながら話した。

また、ファシリテーターの嘉村賢州さんが、今回も参加者同士の「対話」を見事に引き出してくれた。聞くだけに終わらず、しっかり話しきったという高い満足感が「もし松」の魅力である。午後2時に講座が始まり、懇親会がお開きになったのは夜9時過ぎ。7時間のワンデイ・セミナーだ。

参加者35名の内、6割が大学生。成果が出るのは10年後という、やり甲斐のある未来への“投資”だ。

★☆綜医学の研究会と、松林塾の道場研修

8月4日(日)朝、大久保信克君と朝食しながら打ち合わせ。

午前中、綜學社・京都研修所で綜医学の研究会。
今日の内容は、「味覚」と「暦による自然生活」。
暦では、本暦(旧暦)の重要性を学ぶ。

基本は、綜観(林)と加地到先生(内科開業医、綜學社理事)の対話。
これに、オブザーバーとして参加したのは、「もし松」メンバーの大久保信克君、岩井健一君、岩井直也君、松元雄大君、末利こういち君。

午後は「松林塾」。そうめんの昼食を摂ってから、全員で研修所を掃除し、綜學社の「建学の精神・五誓」を唱和。

そして「お互いを良く知って一日で仲良くなり、一生忘れられなくなる独自の研修」の2回目。前回受けた者は、新たなバージョンで行う。それから、時事問題のテーマを2件与えて討議させる。

彼らの参加で、綜観が以前からやりたかった“道場研修”が形になってきた。
現在のメンバーを1期生とし、これから10年続けたら、きっと全国の大学生に広まるのではないかと期待している。

◇どうも政治の世界には、おかしなことが多い◇

松林塾は午後7時過ぎに終了。帰りの新幹線の中で、下記をFBに投稿。

「国民目線、消費者目線が大切という。それはそうだが、政治家には、もっと遠くを見て貰わないと困る。

どんな世界にもプロがいる。政治の世界にも、指導力の高い玄人を求めたい。
乗った船の船長や船員が、目の前しか見ていなかったら不安になるはず。

どうも政治の世界には、おかしなことが多い。例えば一票の格差。
本当に人間の数だけで決めていいのか。選挙区の広さ、山や森林、河川、海洋、生息する生物たちは一体どうなるのだろうか。

二十歳になるまで、選挙運動に参加させてはならないというのも変だ。
そうやって若者を排除するから、投票率が上がらないのではないか。

その低投票率について、嘆く声が一般的だが、そのほうが良識が反映されやすいという意見もある。風やムードに流されないで済むという見方である。良識によって高投票率になるのが理想であることは勿論だが。

それから、選挙の後で御礼を言ったら違反になるという決まりが滑稽だ。
仕方ないから、マイクで次のように言うしかない。
『公職選挙法違反になるので、皆様には大変お世話になりましたが、誠に有り難うございましたと声を大にして言えないことを、どうかお許し下さい』。
そうやって、結局御礼を言っている政治家の姿が面白い。

★☆15年で済んだ幕末維新、100年かかる21世紀の文明維新

8月5日(月)午前、松下政経塾7期生の山崎泰さんが、浜松事務所に来所。
彼は東京都議を2期務め、松下政経塾出身の地方議員の会などをまとめてきた。
先日の参院選では、日本維新の会から比例区に出馬したが惜しくも落選。

山崎さんは、松下政経塾の力を何とか結集させたいという、本当に真っ直ぐな志を持っている。今日は松下政経塾の今後のために、わざわざ訪ねてくれた次第。綜観も、松下政経塾の意味が分かるのは、まだこれから先のことだと思っている。

15年で済んだ幕末維新と、100年を要する21世紀の文明維新とでは、そもそも長さが違う。根気を持って50年やらなければ、人材育成という大事業は答が出せないということに気付いた。

松下政経塾は、まだまだこれから。林塾は、もっともっとこれからだ。