成長する人かどうかの見分け方

おはやうございます。
林塾「政治家天命講座」西日本3連戦を終えました(18日~20日)。
関西・九州・中四国各講座で計10時間、渾身の気迫を込めて講義。
内容は山鹿兵学と『葉隠』。武士道は日本再生の根本精神なり!
来期候補者も加わって熱氣を帯びた研修となりました。

●評論・随筆●

何かで成功した人ほど要注意

一度(ひとたび)ベストセラーを世に出した出版社は、その後ずっとベストセラーを出し続けなければいけなくなるという。

ベストセラーを出すことは出版社の誉れだが、世間から「あそこは力のある出版社だ」と注目を浴び、それに応えようとして会社の規模を無理矢理拡大していくと、やがて維持するのが大変になってくる。簡単に言えば、お金の工面が難しくなるのだ。

本を出版したからといって、すぐにお金が入ってくるわけではない。借り入れをして運転資金としたり、滞っている支払いを待って貰ったりしながら、何とかやり繰りしていくのだ。と同時に、勢いを止めないよう次の出版企画も進めていかねばならない。

そういう状態を、昔から「自転車操業」と呼んだ。「自転車は走るのをやめれば倒れてしまうところから、資金の借り入れと返済を繰り返しながらかろうじて操業を続けること。また、そのような経営状態」が自転車操業なのだそうだ(デジタル大辞泉より)。

ペダルを漕がないと転倒してしまう「自転車操業」状態に陥ってしまうのは、企業ばかりではない。規模が大きくて気付きにくいが、世界経済も同じではあるまいか。物欲膨張資本主義経済は、成長を維持しなければ崩壊してしまう。
だから、何があろうが拡大を止めてはいけないと。

しかし、世界経済にも必ず限界がある。地球が保たなくなるのだ。

成長も発展も大事だが、それは物心両面の成長であることや、年輪のような着実な発展であることが必要だ。そして、地球益や人類益に叶う公益経済でなければいけない。

また、似たようなことは個人の人生にも起こり得るから、何かで成功した人ほど要注意だ。いったん華やかな人生を体験すると、ちやほやされないと不満に感じるようになる。身の程をよく知って、焦ることなく実力を養っていこうではないか。

孤軍奮闘、大いに結構!

一般に、自分より志の大きい者は動かせない。

相手からすると、貴君の志が大きければ大きいほど、扱い難いタイプということになる。引き上げてくれる大物が現れず、君の活躍は遅くなるだろう。

貴君が孤独でいるのは、その志が巨大であるからに違いない。

よく見よ、貴君よりも先に世に出ていった者たちは、使い易い奴と思われたからではないか。人材ではあったが、人物ではなかったのだ。

転換期に入った今、必要とされるのは大人物だ。
こせこせ小さくまとまることなく、大きく生きて欲しい。

孤独は人物を鍛える最大の経験なり。孤軍奮闘、大いに結構!

ああ勿体ない、途中で伸び悩む若者たち

「武勇者と若衆は、自分は日本一という大高慢を持たなければならない。
但し修行中の現在は、間違いを知ったら直ちに改める素直な謙虚さが欲しい(知非便捨)。日本一という大高慢と素直な謙虚さ。両方を併せ持ってこそ、成長発展が叶うことになる」。
(これは『葉隠』の一節だが、林流の超訳を少し加えている)。

この文に、将来伸びる人間かどうかを見分ける秘訣が出ている。

もうこの人の器は固まっているな。今後、器の中での進歩はあっても、殻を破るような成長は起こるまい。そう感じてしまう人には、残念ながら素直な謙虚さが見られないのである。

指摘や注意を受けたとき、力んで反発し、反省というものがない。
相手の言葉を途中で遮り、自己防衛に向かってばかりいる。
従って、謝ることも、改めることもない。
これでは大高慢ではなく、ただの傲慢(ごうまん)である。

実力があり、努力も重ねている。しかし「間違いを知ったら直ちに改める素直な謙虚さ」を持たないために、途中で伸び悩んでいるのだ。
そういう若衆を何人も見てきた。本当に勿体ないと思う。

成長する人かどうかの見分け方

今出来ることをやっているかどうか。フランス料理のシェフになりたいなら、仏語の勉強、渡航費用の貯金など、今から出来る事がいろいろある。
それをやらないでいて、ただ夢ばかり語る人は、結局挑何もしないで終わる可能性が高い。

小事をきちんと実行しているかどうか。一事が万事であり、全体は細部に投影する。命取りになる問題は、アリの一穴から生ずることが多い。小さい事を小さい事としか感じない感覚に、そもそも問題あり。大きな成功は小さなことの積み重ねから。小さな約束や期限・時間を守れる誠実さがあるかどうかどうかを見よ。

変化が起きたときに逃げないかどうか。いざというときに本性が出る。
政治家なら、選挙に落ちても志を保てるかどうか。あるいは当選後にどうなるか。当選してフツーの議員に縮まる人も多い。

本氣の志を立てていれば、今出来ることを今日もやっているし、小さい事を疎かにしないでトドメを刺しているし、変化に対して決してブレたりしない。
だから着実に成長するのだ。