経営者向けの講演で、満足85%・不満4%。その不満にお答えして…

こんばんは。冬至が22日(金)に迫り、いよいよ年の瀬です。一年が、あっという間に過ぎますね。

年内の仕事ですが、21日(木)に関西で、自治体幹部への講義・指導を行います。そして25日(月)・26日(火)に、林塾第12期・全国合同師走例会があります。以上で本年度の出講がヲハリ(尾張り)となります。

●日記● 平成29年12月12日~17日

◆12日(火)、浜松・東林志塾(日内地孝夫塾頭)で、赤穂義士に学ぶ「武士の一分」と題して講義。先月の公開講座の反響もあり、会場は、ほぼ満席に。忘年懇親会も盛り上がる!

◆13日(水)、一昨日の空手稽古で、片足ケンケン跳び、カエル跳び、うつ伏せからのダッシュなどの補強運動を行い、さらに、四股立ち・猫足立ち・前屈立ちで、じっとガマンの鍛錬をやった。もう大腿部がプルプルに。そして、組手や形の鍛錬もビシッときめる。月曜日の空手稽古は特別クラス。メニューは、いつも以上にきつかった! 最高齢は、もちろん還暦の私。歳を忘れてがんばったが、やはり二日後の今日になって筋肉痛が激しくなってきた。

◆15日(金)、神戸・今啓林綜學会(今井啓介会長)で講義。火曜日の浜松に続いて、赤穂義士に学ぶ「武士の一分」~忠臣蔵に感動する間は、日本はまだ大丈夫~を演題に話す。会場は、神戸一宮神社。二次会は、今井会長と浅野ゆう子さんの実母の店へ行き、カラオケ5曲を歌う。昭和は本当に良い時代だった。

☆16日(土)、京都・林英臣勉強会・第3回(小笹嘉洋代表)で、聖徳太子と憲法十七条について熱く講義。曰く、聖徳太子は、今も日本を守っている!日本外交も日本仏教も、みんな太子からはじまったと。

会場の「ちおん舎」(中京区)に、関西広域から素晴らしい方々が集まってくれた。林塾からは岡本和?塾士補(11期生)が参加。

トップの指示が、なかなか部下たちに伝わらない。伝わっても、ちゃんと守ってくれない。そもそも礼儀を忘れている。遅刻が多いし、勝手に早く帰る者も後を絶たない。互いに批判ばかりしていて文句が多く、仲間なのに知らぬ顔で助け合わない。世の中を見れば、悪がまかり通り、善が隠れている。みんな自分中心に生きており、本当に社会のレベルが低くなった…。

以上は、現在の話ではない。今から1400年以上前の、聖徳太子による政治改革が始まった頃の実状であった。

国民の意識レベルを、どうしても上げたい。意識改革なくして日本の改新は不可能なり。そう考えた太子は、命懸けで憲法十七条を制定される。

やがて太子の悲願は、大化改新となって実を結ぶ。その感動のドラマを、全身全霊で話した。意義深い京都勉強会に育ってきたことが嬉しい!

◆17日(日)、綜學社・特別研修会で「大和言葉の世界観」第一講「マナヒ(国学)」を話す。本日の研修会の参加者は、綜學社の加地到理事、綜學社の末利公一学匠と桑原恭祐学匠、中日本やまとことば研究会の山本道代代表、京都林英臣勉強会の小笹嘉洋代表、そして綜観の計6名。加地理事による、中村天風師に学ぶ綜医学講義の第1回も始まった。

この研修会は、綜學の研究深化の場として、2ヶ月に一度開催されている。参加無料だが、全回出席を原則に、参加者には綜學の研究啓蒙普及が課せられる。綜學社は、学術維新を起こして現代文明を救うための根本道場なのだ。

●評論・随筆●

◆経営者向けの講演で、満足85%・不満4%。その不満にお答えして…◆

先日「公益資本主義と、その心得7カ条」と題して講演し、理念の無い経営と利益の出ない経営は、どちらも間違っているということを述べた。

現在の欲望経済のままでは、どこかにしわ寄せがいくしかない。経営者が疲れ切るか、社員が犠牲になるか、お客様が騙されるか、得意先が廃業に追い込まれるか、環境が破壊されるか…。こうした現状のままでは、国力が衰亡し、国民は決して幸せになれない。そこで、理念型の経営によって、真の繁栄をどう起こすかと。

まず、日本資本主義の父と称えられる渋沢栄一翁が唱えた「論語と算盤」の思想を元に、論語のキーワードである「仁」「義」「信」「徳」などについて解説。さらに、松下幸之助翁の経営思想から、社是や社訓、店訓などの必要性を話した。

その上で、以下の「公益経営の7つのキーワード」を説明した。
1「理念」~何のため・誰のための経営か。理念は考え方の基準。
2「本物」~独自性を磨き、品質を最高水準に高め、安売り競争から脱出せよ。
3「信用」~信用なくして永続も繁栄もなし。
4「互恵」~自社だけ・自分だけ良かれはダメ。
5「年輪」~急激な成長を求めず、ブームに注意し、着実な年輪成長を目指せ。
6「上下一体」~上は下のため、下は上のために努力。連係プレーは日本人のお得意芸。
7「感謝」~お陰様の心。神仏やご先祖への感謝報恩が大切。

トドメとして、公益=損、私欲=得という「公損私得の短期軸」から、公益=得、私欲=損という「公得私損の長期軸」へ転換しようと訴えた(※短期的には儲かるのが短期軸、長期的に繁栄するのが長期軸)。そして、公得私損こそ公益資本主義の基本精神であると結んだ。

さて、講演後のアンケート結果が送られてきた。85%の参加者が満足と答えてくれた一方で、不満な人も4%いた。その理由として、講師の経験談ではなかった、経営者ではない人による綺麗事の話に感じた、理念よりも実践の話が聞きたい、正しい道だが30年後には通用しないのではないか、理想ではあるが海外のしたたかな経営者に出し抜かれると思う、などと書かれていた。

その通り私は、個人事務所の切り盛りを除けば、経営の経験に乏しい。しかし、教育者として人を育て、歴史家として人物を研究し、社会改革者として啓蒙活動に長年取り組み、超党派の政治活動体を起こしてきた。それらを通して人間学を練り、同時に組織運営における「人の苦労」を積んできたと自負している。

そうした体験を元にしつつ、思想家として探究してきた「経営における原理原則」が、「公益経営の7つのキーワード」だ。これらは理想ではあるが、綺麗事は違う。一番当たり前の心得であり、常に振り返るべき基本を述べたのだ。

但し、何事も理想ほど厳しい。私は厳しい内容を語ったつもりである。若いのだから、信念を養って精神的に自立し、妥協しないで厳しい王道を行けと。

今回の講義は、原理原則に集中し、体験談は敢えて語らなかった。確かに経験談は聞いていて面白い。が、大抵は講師の自慢話で終わることに注意して欲しい。痛快な話や涙腺の緩む話は、元気になったり心が洗われたりするが、熱さや清々しさは一時で終わることが多いものだ。

他人の成功例(失敗例)は、あくまでその人に通用した事例であって、それをそのまま真似ても殆ど巧くいかないものである。もしも他人の経験談を活かしたいなら、ここがポイントという「気付き」と、自分ならこうするという「置き換え」の能力を、よほど修練しておく必要があるだろう。

それから、やたらに危機を煽る講師にも注意して頂きたい。経営者を扇動し、洗脳しながら信者的会員に囲い込もうというやり方だ。

30年後には通用しないのではないかというご意見について。どういう状況を言わんとしているのかよく分からないが、そうなったときは日本経済が終わるときではあるまいか。

海外云々について。むしろ、海外の経営者こそ「日本的経営の基本精神」を学ぼうとしているのではないだろうか。例えば、アメリカではB企業(ベネフィット企業、社会へ恩恵をもたらす会社のこと)が増えているそうだ。

私は論語などの儒家ばかりでなく、性悪説に立つ韓非子などの法家思想や、勝つための心得をまとめた兵家(兵法)なども講義している。今回は儒家中心に述べたので、内容に偏りが生じたかも知れない。それで綺麗事の理想論と受け取られたのなら、講義の構成不足が原因であり、心からお詫びするところである。