米中貿易戦争は、公益資本主義へ転換するための天啓!

お早うございます。「最初に無いものは、最後まで無い」綜観

◆今週は博多(21日)・大阪(22日)・名古屋(25日)で講義します。大阪は公益資本主義推進協議会(PICC)大阪支部の講義です。

★九州政経倶楽部例会 5月21日(火)
演題:今、一番九州政経倶楽部の皆さんに聞いて欲しいこと
・リーダーに必要なインテリジェンス
・新元号「令和」の意味
・天皇がキングではなくエンペラーと呼ばれる理由
・松下幸之助が求めた公益資本主義とは 他
会場:クリオコート博多
会費:会員ビジター共3000円 懇親会(希望者別途4000円)

☆「名古屋綜學院 林ゼミ」5月25日(土)午前10時~午後4時
第5回授業~大和言葉・基礎編~日本語は一音一音が明瞭で、48音それぞれに
意味がある。大和言葉の素晴らしさを知らないで、日本の魅力は語れない。
年間予定などの詳細とお申込は、こちらをご覧下さいませ↓
https://www.facebook.com/event……238302778/

◆先週は浜松と神戸で講義しました。どちらも毎月開催している勉強会で、20数年継続しています。

今年の講義内容は3本立てで、内外の時事問題の解説と、論語の講義と、86年前に出版された本をもとにした東西思想の比較講話をしています。他では聞けない中身の濃い講座であることを自負しています。1本目で今を掴み、2本目で東洋の原点を捉え、3本目でこの百年を繋ぎます!

浜松は東林志塾(日内地孝夫塾頭)、神戸は今啓林綜學会(今井啓介会長)で、どちらも林塾からの参加者がいます。
浜松は、森田賢児塾士(12期生、浜松市議)と川岸和花子塾生(14期生)、神戸は、福丸孝之塾士(1期生、大阪府茨木市議、綜學師範代)です。

次回6月は、浜松が11日(火)駅前プレスタワー15階・21世紀倶楽部、神戸が17日(月)神戸一宮神社で開催され、どちらも午後6時半からです。

●評論・随筆●

◆米中貿易戦争は、公益資本主義へ転換するための天啓!◆

◇同級生宅の二階が、ハーモニカ組み立て工場◇

物の生産で、国家ごとに担当が分かれている。それを国際分業体制という。アップル社のスマートフォンの場合、設計と販売はアメリカ、部品供給は日本や韓国、組み立てがチャイナという国際分業になっている。

この体制で一番儲かるのはアップル社(アメリカ)で、次が日本や韓国の部品メーカー、その下がチャイナの企業となる。チャイナ商務省の報告書には「約650ドルのiPhoneを1台売っても中国には計8・5ドルしか落ちない」と書かれている(令和元年5月15日付・日経新聞朝刊)。組み立てだけだと、約1,3%分の儲けにしかならないというわけだ。

昔、近所の同級生宅に行くと、二階の6畳間がハーモニカの組み立て作業場になっていた。作業をしていたのは同級生の母親で、浜松の大手楽器メーカーの下請けをしていたのである。その手間賃は僅かな金額であったことと思う。いわば、その手間賃を貰う作業場がチャイナなのである。

このままでは、利幅の薄い仕事しか出来ない。何とかして重要部品の製造を手掛け、やがては独自の設計と、一貫した製造販売体制を確立したい。そう思うのは当然だろう。

◇今ならチャイナを叩ける。叩いてアメリカを守れるという思惑◇

そのためには、一体どうすればいいのか。これからは、次世代通信規格である5Gと、それを使うことで成り立つAI(人工知能)の時代になっていく。ならば、その分野で世界をリードしようと思い立つことになる。

そこでチャイナ企業は、他国企業に対して技術移転を強要。チャイナに進出した日本企業も、地方政府やチャイナ企業から先端技術を開示するよう迫られた。

チャイナは国家資本主義の国だ。共産党一党独裁のもと、非民主的な体制のまま人民を監視し、国を挙げて国力の発展に努めてきた。著作権などの知的財産権も侵害されている。一帯一路構想で影響力を世界に広めつつあり、軍事力の増強も著しい。

このままチャイナに、5GとAIの分野でトップの座を譲ったら、いよいよアメリカの覇権は終わってしまう。でも、今ならチャイナを叩ける。叩いてアメリカを守れる。そういう思惑によって仕掛けられたのが米中貿易戦争だ。

◇アメリカ型資本主義にも、チャイナ型資本主義にも問題がある◇

この衝突で、日本の産業界に大きな影響が現れ始めている。これまで米中の間で安心して商売をやって来られたが、関税合戦によって将来の見通しが立たなくなったと。

では、アメリカとチャイナの間にあって、日本は何を目指すべきか。大国に挟まれたまま、ただ右往左往するだけではいけない。大局的に考えてみれば、アメリカ型の私益中心資本主義にも、チャイナ型の国家覇権資本主義にも問題があることに気付く。

バクチ的な金融資本主義や、資本家優先の株主資本主義を見れば、アメリカ型の限界は明らかだ。また、人民が監視・抑圧され、異民族や宗教団体への弾圧が絶えない状態のまま、経済力と軍事力だけを集中的に発展させるというチャイナ型のやり方にも無理がある。つまり、どちらも膨張型であって持続可能な経済ではないのだ。

◇同志国を世界中に募り、公益資本主義推進国際機構を創る!◇

日本としては、こういう取り組みをしてはどうだろうか。御代替わりと新元号の令和によって、国民心理は明るい方向に一転してきた。この心理を「創業の熱意」に高め、まず何らかの「新日本創成プロジェクト」を掲げる。長期的な内需振興策として、地方再生を図り、元気な日本を取り戻すための方策だ。

内需主導に展望を開きつつ、合わせて米中貿易戦争の煽りを受けて苦しむ国々と経済協力を進める。その連携理念は、アメリカ型でもチャイナ型でもない公益資本主義に置くのである。

公益は地球益に他ならない。自国エゴによる私欲資本主義から、地球人類益を共同で守る経済原理へと、転換が迫られているのが21世紀である。

我が国は、公益経済の同志国を世界中に募り、公益資本主義推進国際機構を創る。その団結力をもとに、日本は米中二大国の行司役を務める。

そうすれば、米中貿易戦争という産みの苦しみを乗り越えられ、きっと共生文明への道筋が描けるものと思う。米中を繋いで世界平和をリードするところに、日本外交の大目標を立てるのである。

◇自分と自社、自国のみ助かればいいといった私益エゴを捨てよう◇

このまま私欲膨張型の経済を続けていたら、益々貧富の差が広がる一方であり、一握りの富裕者以外は幸福になれまい。その歪みは、いろいろなところにしわ寄せとなる。

経営者は疲れ切り、子供に継がせる気が起こらない。強烈なノルマが社員に掛かって客を騙し続けるしかなく、真面目な社員ほど心身共に疲れ果ててしまう。環境は破壊され、地域経済は崩壊する一方。

マイクロプラスチックのゴミ問題にしても、動植物の種の消滅にしても、地球環境問題の深刻化はこれからだ。もはや過去の延長線上に、将来を支える経済原理は無いというところに来た。この際、自分と自社、自国のみ助かればいいといった私益エゴを捨て、地球人類の公益のために生きることに意識を進化させよう。

米中貿易戦争は、そのきっかけとしての天啓であった。将来、そう思えるようにしたい。新しい公益経済原理を掲げるときは、まさに今である!