22世紀から考える~新しい日本の社会秩序と「人間進化都市」

こんばんは。20日(月)の「大寒」、25日(土)の本暦元日が過ぎますと、2月3日(月)が「節分」、そして4日(火)が「立春」となります。迎春はすぐそこですね。明日と明後日は、長州萩・松下村塾で林塾「政治家天命講座」第15期・睦月全国合同例会が開催されます。今期の塾生は総勢で30名です。

◆本号の「日記」の小見出しです。→内容は下記をご覧下さい。
☆母が転んで右股関節を骨折…
☆変化の激しい時代だからこそ、不動の中心軸が必要となる~東京・政経倶楽部
☆自己啓発と、日本学習と、世界平和を一つに繋いでいく~名古屋&京都綜學院
☆ロシア(ソ連)を祖国と呼ぶ大学生が現れていた戦前の実態~神戸・今啓林会
☆恒例の「年頭立志マンダラ」の発表会~浜松・東林志塾

◆本号の「評論・随筆」の小見出しです。→内容は下記をご覧下さい。
☆保守とは何か?
☆大丈夫、きっと上手くいく!
☆塾長は講義に専念してください!
☆22世紀から考える~新しい日本の社会秩序と「人間進化都市」

●日記● 令和2年1月8日~15日

◆1月8日(水)、まもなく86歳になる母が、昨年末に転んで右股関節を骨折。昨日、総合病院で診てもらって判明し、本日午後から手術。

病院のスタッフの皆さんが、とても親切で、母の長話をちゃんと聞いてくれる。私は明日朝、東京で講義があるので、夕方まで付き添い、夜には上京。

こういうとき、長男がテキパキ采配してくれるので助かる。家内も付き添いに顔晴っている。

母は、自分のことよりも、88歳になる夫の心配ばかりしている。頭が下がることばかりだ。

◆1月9日(木)、政経倶楽部・東京支部(谷口郁子支部長)例会で「令和の天皇論」を演題に講義。変化の激しい時代だからこそ、不動の中心軸が必要となる。日本の中心軸は、スメラミコトに他ならない。講義後、本部会議に参加。

林塾から下記4名が参加。
久野晋作塾士(3期生、千葉県我孫子市議、副塾頭)
田沼隆志塾士(3期生、千葉県議・四街道市、元衆議院議員)
高橋浩司塾士(9期生、神奈川県鎌倉市議)
横田朋大塾士補(14期生)

◆1月11日(土)、名古屋綜學院(尾花智明代表)で第2期・初回の講義を務める。第1期からの2年生と、第2期入学の1年生が一緒に受講。

演題は「まず人生のバックボーンから見直そう!~孔子と『論語』」。それから、綜學の基本と「原点・大局・本氣・徹底」について解説。5時間超の講義を行い、懇親会では院生全員の発言をしっかり聞く。

◆1月12日(日)、京都綜學院(小笹嘉洋代表)が開校。32名の新入生を相手に初回の講義を務め、綜學とは何か、立志の手法「原点・大局・本氣・徹底」、綜學十訓などについて解説。師匠の思い出や日本の危機に触れると、どうしても涙腺が緩んでしまう。講義と指導に5時間。懇親会では、全員の発言にしっかり耳を傾ける。

さて、自己啓発の講座は、いくらでもある。日本を学ぶための勉強会も、沢山ある。世界平和を目指している集まりなら、星の数ほどあるだろう。

だが、自己啓発と、日本学習と、世界平和を一つに繋いでいるゼミは殆ど無い。私はそれを、昨年名古屋ではじめ、今年から京都にも誕生した。名古屋綜學院・林ゼミと、京都綜學院・林ゼミである。

◆1月13日(月・祝)、神戸・今啓林綜學会(今井啓介会長)で講義。「世界と日本の動きを読む」では「2020年から考える新日本創成」を解説。「論語」講座では、孔子の美しい所作と、場に応じた心の込め方について紹介。

封印の書『学術維新原理日本』講話では、無政府主義に学術的批判を加えられない大学教授がいたことや、ロシア(ソ連)を祖国と呼ぶ大学生が現れていた戦前の実態について話す。林塾から福丸孝之塾士(1期生、茨木市議)が参加。

◆1月15日(水)、浜松・東林志塾(日内地孝夫塾頭)で講義。年頭講話として「22世紀から考える~新しい日本の社会秩序と人間進化都市」と「年頭立志マンダラ・林の例」を話し、後半は各員の「年頭立志マンダラ」の発表会。林塾から川岸和花子塾士補(第14期)が参加。

●評論・随筆●

◆保守とは何か?◆

それは、既得権益を守ることとは違う。根源から続いているタテイトを守ること。そこに、本物の保守の在り方がある。

◆大丈夫、きっと上手くいく!◆

君は、何かに頼ろうとしてはいないだろうか。誰かにすがろうとしてはいないだろうか。

手っ取り早くやろうとしてはならない。楽な道を選ぼうとしてもならない。

たとえ早く世に出ることが出来、労力少なく前に進めたとしても、それは君にとっては亡びの道である。

孤独を恐れるな。他をあてにするな。君は新しい道を切り拓くために、この世に生まれてきたはずだ。

自分の思いで生きよ。自身の力で立ち上がれ。そして、今までに無かった世界を創造せよ!

君を助けようとする人、君に付いて行きたいと願う人が現れるのは、そのときからである。大丈夫、きっと上手くいく!

◆塾長は講義に専念してください!◆

林塾「政治家天命講座」をはじめて、今年で15年目を迎える。今期は、関東講座・関西講座・九州講座に加え、沖縄講座が新設された。新塾生は総勢30名。明後日から長州萩・松下村塾において、睦月全国合同例会が開催される。

そして、今年から林塾は一般社団法人となった。が、私は何の役にも就いていない。塾長は講義に専念してください、ということらしい。

もともと私は、人事や予算など運営の権限を持たなかった。当初から、弟子たちで自立出来るよう任せてきた。従って、私個人は何も変わらない。

私がいなくなっても、林塾の活動は続いていく。本当に有り難いことである。

◆22世紀から考える~新しい日本の社会秩序と「人間進化都市」◆

過去の延長線上に未来を考えてばかりいると、どうしても気持ちが暗くなります。今日、侵略征服型の欧米中心文明が限界を迎え、場当たり・横並び・先送りの利己的衆愚政治が行き詰まり、欲望無限追求型の私益膨張資本主義がすっかり老朽化しています。

欧米中心文明も、利己的衆愚政治も、私益膨張資本主義も、既に過去のもの(機能不全)となった現在、これらに囚われたままでいたら明るい将来は決して望めません。

かつて松下幸之助翁は、常に21世紀から物事を考えていました。19世紀末の1894年(明治27年)に生まれ、1989年(平成元年)に満94歳で亡くなった翁は、著書『私の夢・日本の夢 21世紀の日本』の書名の通り、21世紀から日本の創成を図っていたのです。

また松下翁は、国是や国家目標の必要性を強く説いていました。

そこで私は、松下翁の直弟子の一人として、22世紀の明るい日本を創成するための国是として、次の三綱領(3つの基本理念)を掲げてきました。

東西文明の融合による「共生文明の創造」と、思い遣りと助け合いの心を養う「高徳国家の建設」と、経済活動に携わる全ての関係者(ステークホルダー)が幸せになる「公益経済の確立」です。

この国是三綱領を、日本に新たに起こる新しい社会秩序(新日本SS)が実現していきます。新日本SSは、これから22世紀にかけて成長していくと予想しますが、その過程で注目しておくべき事柄があります。

それは、新しい建築群の創造です。新時代のシンボルとして国民皆が注目し、あるいは新生活の基本となるなどして全国的に広まっていく建造物です。これまでの社会秩序を振り返ると、下記のような創造的建築群が登場しています。

・大和朝廷時代(古墳時代の上古SS)~前方後円墳
・奈良平安時代(律令時代の古代SS)~五重塔など仏教寺院建築
・鎌倉室町時代(前期武家の中世SS)~武家造り(書院造り)の日本家屋
・織豊徳川時代(後期武家の近世SS)~天守閣など城郭建築
・明治維新から敗戦まで(近代日本SS)~西洋近代建築

では、これから起こる新日本SSでは、どんな建築群が登場するでしょうか。おそらくそれは個々の建築物と言うよりも、「人間進化都市」とでも呼ぶべき空間として建設されるのではないかと思います。人間生活そのものが進化していく都市空間という意味です。

そこでは、一個の都市自体に、可能な限りの“自給自足”機能が備わっています。電気は太陽光や河川などから得る自然エネルギーで賄い、水は雨水・地下水・河川などで調達、燃料は木質チップを用い、建築資材は地域産の材木を加工強化して使用することによって自給します。

人間進化都市は、地方の災害に強い場所を選定し、安全な基盤を造ってから計画的に建てていきます。また、既存の都市や地域にあっては、建て直す際に人間進化都市に着実に近付いていくよう行政から指導を受けます(百年間に殆どが建て替え)。

そして、AIによる新技術によって仕事が減ることを逆に生かせば、人間は食うためだけに働かなくて済むようになります。労働ではなく喜働です。

そのため、お金の意味も変わります。通常の通貨以外に、お互い役立ち合い喜ばれ合うことにポイントが付き、それが人間進化都市の“通価”として流通し、それ自体が豊かさの指標ともなります。22世紀になれば、現在の地方の過疎地は、本格的な人間進化都市に変貌していることでしょう。

(以上は、日本政経連合総研レポート第32号・令和2年1月1日より。そして、以下は補足)

「人間進化都市」が、河川から得る自然エネルギーとして有望なのが水力発電。ダムは新しく造る必要はない。既存ダムの嵩上げを図る、発電機の無い砂防ダムなどに発電機を付けるなどすれば、今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせるという(元国土交通省河川局長・竹村公太郎氏)。小水力発電の電力収入は地元(進化都市)の財源となる。

松下幸之助翁が提唱された「新国土創成論」の、「自然知(天地自然の原理)」という理念を進化都市にも生かす。地方の過疎化が進んでいる今だからこそ、自然知を生かした新都市設計が可能となる。

無計画な宅地造成によって、益々自治体の負担が増していく愚は避けねばならない。

新国土創成論中にある、台風はエネルギーの固まりだから、将来は台風の到来を喜ぶようになるという考え方は決して荒唐無稽な話ではない。

「人間進化都市」は、いわゆるスマートシティや、コンパクトシティとも相通じる。トヨタ自動車は、静岡県裾野市にスマートシティの建設を計画。県は法令上の規制を見直す方針。自動運転都市、さらに「空飛ぶ車の都市」へと実験が進むものと思われる。

空飛ぶ車が普及すれば、大都市と進化都市間、進化都市と進化都市間の交通は、直線距離で結ばれる。そうなれば、高速道路や新幹線から遠いため、発展から外れてしまうという心配が無くなる。

各進化都市は、それぞれの自然や文化、歴史などを生かし、どの都市も活力に満ちてきて少子化は解決する。やがて現在の大都市も、進化都市空間へと変貌する。