提言(後編):今という時代を知り、新しい国是と日本のあるべき姿を考える

おはやうございます。
浜松の今朝は快晴です。
立冬の明日は、東林志塾(浜松)で講義します。

東林志塾(浜松)11月8日(火) 夕食会午後6時 講義開始7時
じっくり味わう「幕末維新」人物講座・第8回「橋本左内」
諸藩連合政権を、あと一歩のところまで進めていた左内。
安政の大獄で死ななければ、龍馬の活躍は不要となったであろう…。
左内15歳の書『啓発録』から立志の要諦5カ条を学ぶ。
会場:21世紀倶楽部(静岡新聞社・静岡放送プレスタワー)
参加費:オブザーバー3000円
電話053・473・5715(事務局・野上孝さん)
     hm813722@fsinet.or.jp

◆昨日は東京の綜學義塾(新舘和豊塾長)で、幕末志士論を講義。坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟、吉田松陰の4名の人生を紹介しました。

変化が加速する時代だからこそ、動かないものを持たねばなりません。流されない自分をどうつくるか。これを主題として話を聞いて頂きました。

この塾には、建設・土木・電気工事などの関係者が多数参加しています。皆さん体を張って仕事をしている人たちですから、上辺(うわべ)の言葉は全然通用しません。自ずと講師と塾生の真剣勝負の場となります。

また昨日は大学3大駅伝の一つ、全日本大学駅伝(熱田神宮~伊勢神宮)が開催され、駒沢大学が3年ぶりに優勝。最終区で山の神・柏原竜二(東洋大4年)に33秒差まで迫られたものの、見事にゴールテープを切りました。

駒大の大八木弘明監督は新舘塾長の親友であり、綜観とも親交があります。
電話で話したところ、それはもう大喜びでした。

◆林塾3期生の久野晋作(くのしんさく)塾士が、千葉県我孫子市議選に出馬(3期目・39歳)。正義派筆頭格らしく、モットーは「折れない、ブレない、あきらめない。すべてに、真っ直ぐ」。昨日6日が告示、13日が投開票です。自分との戦いが一番のテーマになっています。晋作よ、氣をもって体に勝て!

また、現在「政治家天命講座」を受講中の、先崎温容(せんざきよしなか)塾生が福島県議選に出ます(田村市滝根町)。町議2期、市議2期を経て県議に挑戦! 37歳、物知りでユニークなインテリ。そのくせ茫洋とした性格で、打たれ強さがあります。10日が告示、20日が投開票。厳しい戦いになるでしょう。なお先崎は、まだ講座受講中の身であり、林塾“公認”ではありません。

下記は、先月末に政経倶楽部連合会が野田総理に渡した「提言」です。
その中の、綜観が担当した「理念」部分の内容です(後編)。
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提言(後編):今という時代を知り、新しい国是と日本のあるべき姿を考える

新しい国是と日本のあるべき姿

1「共生文明の創造」

明治維新では西洋模倣の「文明開化」が国是であったが、これからは人と自然、東洋文明と西洋文明が融合する「共生文明」を国是とする時代に入ると予想する。文明交代の先駆け国となって人類進化に貢献するのが、日本のあるべき姿の第一である。

一方で、文明転換期は何が起きてもおかしくない混乱の時代である。今後、発展途上国の更なる経済成長に伴う資源・エネルギーの枯渇や、生活の向上による食糧不足などが、地球規模で発生するおそれがある。これに気象異変や環境破壊が重なれば、資源・エネルギー・食糧が高騰し、輸入が滞る事態が発生するだろう。国民の衣食住を保証できるリスク・マネジメントが政策に求められるのは当然である。

さらに、世界的な混乱が発生した際でも、国家主権を維持し、国民の生命・財産を守ることのできる「国防の充実」と「治安の維持」を急ぎ準備しておかねばならない。

2「高徳国家の建設」

明治維新では西欧列強がお手本の「富国強兵」が国是であり、戦後は経済戦争に勝つことと、それを支える“産業戦士による富国強兵策”が続いた。

現在、社会秩序が転換し、日本に新しい国家体制が誕生しようとしている。その新国家には、国家レベルにおいても国民レベルにおいても、闘争や競争だけで終わることのない、徳の高さが求められていると思われる。これを「高徳国家」と呼び、この建設を新しい国是の二つ目に掲げる。

「高徳国家」においては、お陰様、お互い様、勿体ない、お役立ちなどの日本の心を生かし、徳と幸福感の高い国を目指していくことになる。高徳国家となれば素直な愛国心が生じ、「国民の絆」が結ばれる。健全な防衛意識も醸成され、ひいては平和立国につながるだろう。それらが日本のあるべき姿の第二だ。

また、高徳国家の建設には、次の「3つのひとり立ち」が必要になると思われる。

個人のひとり立ち」…勝手主義の自由を自立、行き過ぎた平等を公正、無責任な民主を民本、観念的な人権を尊厳と解釈し直し、依存心が強く、ひとり立ち出来ない個人主義を正す。

地方のひとり立ち」…日本中の資源(人・情報・金)を中央に集めてから地方に再分配する手法は、国家経営と地方行政を煩雑化させ、強固な利権構造を生み、制度として老朽化した。まさに“旧体制の温床”であり、これを改めさせなければ地域社会の再生は不可能である。

地方には、まだまだ独自の文化力、歴史力、言語力、教育力、技術力、環境力などがある。これらを生かして地方の自立を進めよう。合わせて地方分権と道州制を根幹政策に据え、明治以来の中央集権体制からの脱却を図ろうではないか。

外交のひとり立ち」…アメリカに頼り過ぎないための「脱米」と、毅然とした対中外交によって外交の自立を整える。それらを支えるため、モンゴル・韓国・台湾・ロシア・インド・東南アジア諸国・オセアニア諸国などとの連携を重視する。

3「公益経済の確立」

明治維新では膨張資本主義に基づく「殖産興業」が国是となり、これに「富国強兵」が重なり、その延長線上に第二次世界大戦の勃発と敗戦があった。戦後においても、無限に膨張する物欲&拝金資本主義が、バブル崩壊やマネーゲームの狂乱につながった。

これまでの資本主義は、その物欲拡大のエネルギーの強さに比べ、目的や理念の崇高さに乏しかった。経済活動の価値を「人間にとって役に立つ生産かどうか」、すなわち人間中心主義に求め、成長の基準を量的拡大に置きすぎたと言える。そうして、「全体にとってどうなのか」を省みる哲学を持たないまま、地球環境が破壊されていったのだ。

金融についても、産業の支えであることを忘れ、金融自身が自己膨張(自己増殖)していって、バブル経済の発生と崩壊を引き起こしてしまったことを忘れてはならない。金融はその役割として、あくまで産業の支援に徹しなければならない。

あるいは利益至上主義は、仕事に喜びを感じられず、幸福を味わうことの少ない人々を育ててしまった。

こうして、資本主義に転換が求められ、進化型資本主義(新経済システム)が始まろうとしている今、それを「公益経済」と呼び、その確立を新しい国是の三つ目に掲げる。

「公益経済」は、従来の資本主義の修正を図る進化型経済(新経済システム)であり、その基本が下記の3点(天地人・三本主義)にある。これが、日本のあるべき姿の第三だ。

天本主義経済…天地自然の働きを生かした循環型経済
地本主義経済…「地域経済生態系」を基本とする地産・地流・地消経済
人本主義経済…人が幸せになるための互恵繁栄経済

ところで、松下幸之助塾長は、経済について次のように語っていた。この中にある松下塾長の「第三の思想」と「公益経済」は、重なる部分が多いはずだ。

「松翁ある人に次のように言われた。共産主義も行き詰まる。資本主義も行き詰まる。第三の思想が生まれる時代がやがて来るだろう。」江口克彦著『松翁論語』PHP研究所283ページ。

それから、3・11大震災からの復興は、公益経済への転換を基本に進めるべきと思う。それには、単なる焼け跡からの復興ではなく、日本全体を救い、世界的危機に対応可能となる再生でなければならない。被災地を、人と自然が共生し、食糧が豊かに生産され(農漁業)、エネルギーが自立した、真の先端都市に生まれ変わらせて欲しいのだ。

最後に、もう一言。これからの政治は、様々な危機に対応し、いのちを守るものでなければならない。国家といういのち、国民一人ひとりのいのちを守ろう。そうして、世界のモデルを興すところに、日本の役割が存在するのではあるまいか。