日米関係と日中外交、そして自立への道 其の4

アメリカは2020年~2040年頃に“終了”する

さて、ではどうするか。対応策は、短期・中期・長期に分けて練るのがいい。

短期というのは、日米同盟を機軸に、アメリカの後押しによって中国の膨張を止めていく段階であり、今現在のことだ。

アメリカの社会秩序(SS・ソーシャルシステム)にも寿命がある。
1776年の独立宣言で始まった「アメリカ資本制SS」は、20世紀に入るとイギリスを超える力を持つようになる。

しかし、国家や社会にもエージングというものがある。アメリカの社会秩序は、1960年代の半ば頃に全盛期を過ぎ、衰退期に入ったと見なされている(文明法則史学)。ベトナム戦争(1965~75)で疲弊したアメリカは、社会病理を深めていく。黒人問題や移民問題も深刻化し、アメリカという国の存在意義が揺らいでいった。経済も悪化し、1970年代に入ると貿易収支に赤字が出るようになり、70年代後半以降では毎年赤字となった。

今後だが、この社会秩序は2020年~2040年の間に「終了点」を迎えることになると予測する。“終了”の意味は、ズバリ「覇権大国からの転落」である。指導力が著しく低下し、世界がアメリカの言うことを聞かなくなるのだ。その背景として、ドル基軸通体制の崩壊や、中国の攻撃力増強によって軍事的優位を保てなくなるといったことが挙げられよう。中東の反米化も加えるべきかと思う。

則ちこれから先、アメリカの衰退によって、その後押しを期待出来なくなるというわけだ。それを前提に我が国は、生き筋を見出していかねばならないのである。

新・鎖国政策を取るくらいの覚悟が必要

次に中期だが、そのキーワードは「自立」だ。

21世紀は東西文明の交代期である。アメリカの衰退も、ヨーロッパの衰亡も、中国の膨張も、イスラム勢力の台頭も、東西文明の転換を考慮に入れると、その様相がはっきりと理解されてくる。これから激化する文明交代期の嵐の中、いざというとき我が国は、食糧とエネルギーの自活による「新・鎖国政策」を取るくらいの覚悟が必要になるだろう。

無限の成長を求めて已まない膨張資本主義は、既に限界に達しようとしている。
そこへ、大干魃や洪水による食糧不足や、中東の政情不安による石油の高騰が覆い被さってきたらどうなるか。今日既に、世界的な人口増と、途上国の食生活の向上、地球規模の気象異変によって、食糧危機の発生が心配されているのだ。

日本の自立のためには、食糧の自給と、あらん限りの手を尽くしての資源・エネルギーの確保が課題となるだろう。かつて戦争の3大原因は、面子(めんつ)を除けば、食糧と資源とエネルギー(の奪い合い)にあった。
領土争いをしたのも、農業生産力の獲得と、労力(人手のエネルギー)の収奪、資源(武器の素材となる鉄など)の確保のためであった。

21世紀の今も、中国は食糧と資源・エネルギーの確保のために世界に進出している。膨張する経済に対して、それらの国内における自給は不可能と考えているからだろう。

いつ食糧や資源・エネルギーが途切れるか分からないのなら、中国とは逆に、日本は可能な限り自給の道を模索していくべきではないか。ボーダレスやグローバリゼーションといった言葉に惑わされてはならないと思うのだ。(続く)