日本政経連合総研レポート 第1号

◆21世紀は東西文明が交代する世界史激変の転換期

政治も経済も「文明の大局」を元にしなければ、未来を的確に読めない時代に入っている。未来を読むモノサシ、それが文明800年周期論(村山節先生ご研究の文明法則史学)だ。

それによれば800年毎に東西文明が交代し、21世紀の今が、今回の世界史激変の転換期にあたるとのこと。ヨーロッパの衰亡、アメリカの衰退、中国の興隆、西アジアの台頭などに、このモノサシを当ててみれば世界の大局的動きがよく観えてくる。

その例を挙げてみよう。1・2は西の文明の衰亡現象、3・4は東の文明の興隆現象だ。
1スコットランド独立運動の高まりに象徴される、英連合国と欧州の求心力低下
2「我々の国力には限りがある」というオバマ米大統領の発言(今年8月3日
記者会見)
3アフリカ・インド洋・太平洋など、世界各地で影響力を高めている中国
4シーア派の結束が進む一方、スンニ派から「イスラム国」が出現した西アジア

◆“膨張帝国”の出現と、それによる世界の激震

これから先、特に留意しなければならないのが、“膨張帝国”の出現と、それによる世界の激震である。800年前のモンゴル帝国、1600年前のフン族アッティラの大帝国+ゲルマン民族の大移動、2400年前のアレクサンドロス大帝国など、文明交代期には旧文明を終わらせる巨大な勢力が勃興した事実がある。

今回の文明交代期は21世紀の今であると述べたが、文明交代期の申し子として世界史を塗り替えていくのは誰か。おそらく中国の膨張に、西アジアのイスラム勢力とロシアが重なる形で世界は動揺し、旧文明が終わっていくのではあるまいか。地球環境の異変、異常気象の頻発、それに伴う食糧不足や資源エネルギー問題が、それを煽ることになるだろう。

◆文明交代期の激動に耐えられる準備を整えておかねばならない

東西文明の交代期は約100年間続く。村山先生は、今回の交代期は1975年頃から2075年頃と予測されていた。その中で一番激動期となるのが2025年から2050年頃という。

日本はその頃、アメリカをあてに出来なくなる日を迎えることになる。中国はその隙を突いて日本の侵略を図るのか、はたまた内部崩壊によって人民が大移動して来るのか。何が起きても耐えられるよう、一時的な鎖国状態も覚悟し、今の内に文明交代期の激動に耐えられる準備を整えておかねばならない。政治家にも経営者にも、その責任がある。

そして、その激動を乗り越えて、我が国は独自の文明を創造することになると予想する。それが、東西文明の長所を融合した「共生文明の創造」である。
(総研理事長 林 英臣)