沖縄訪問記・後編「沖縄問題は日本全体の問題」

普天間飛行場のアメリカ海兵隊は、恒常的な抑止力になっていない

さて講演終了後、移転問題で知られる普天間飛行場を高台から見学した。住宅地の中にあり、非常に危険であることが一目瞭然!

普天間飛行場は、アメリカ海兵隊へり部隊の基地。その常駐によって日本が防衛されているというが、その主張に虚構性が出てきたという。2010年の場合、何と一年の半分ほど、へり部隊は海外で展開しているらしく、恒常的な抑止力になってはいないのだ。

普天間飛行場を沖縄県外に移設して欲しいというのが、県民の悲願になっている。理由の第一は、県民の安全確保だ。これまで米兵による少女乱暴事件や、米軍へり墜落事件などが発生しており、日常的には騒音被害が深刻な問題となっている。

基地は返還されたほうが、経済効果が大きい

本土からだと、まるで全ての米軍基地の退去を願っているかのように思えてしまうが、普天間飛行場は基地の一部に過ぎない。沖縄県民の大方の意見としても、直ちに全部の米軍基地を返還して貰いたいというわけではないという。

基地問題には、本土に伝わっていない誤解がいろいろあるようだ。沖縄経済にとって、米軍基地が欠かせないという意見もそうだ。

沖縄経済が基地に依存していたのは過去の話で、1950年代の基地関連収入は県民総生産の50%を超えていたものの、復帰時点で15,5%となり、2007年には5,3%にまで減っている(琉球新報社)。

むしろ、基地は返還されたほうが、経済効果が大きいらしい。都市機能が充実し、雇用機会も増えるからだ。

日本の国土は日本人の手でしっかり守るのが基本

覇権大国アメリカによる世界指導力は、長期低落傾向にある。今のところ、日米同盟が中国の膨張に対する抑止力になっていることは確かだが、いつまでもアメリカをあてにしているわけにはいくまい。

文明法則史学では、1776年の独立宣言あたりから始まったアメリカ資本制社会秩序(SS・ソーシャルシステム)は、2020~2040年頃に終了点を迎えると予想している(服部研究員)。

軍事力の一国優位が揺らぎ、ドル基軸通貨体制が崩壊することと相まって、覇権的地位から退く可能性が高いことを視野に入れて置かねばならないのだ。

日本の国土は日本人の手でしっかり守る。当然のことながら、それを基本にしなければ、同盟関係は有効に機能しないだろう。防衛と外交のひとり立ちが重要であり、沖縄問題は日本全体の問題であることを再認識した沖縄訪問であった。(終わり)