日本政経連合総研レポート第33号「アメリカ財政は持続不可能か!? 世界には3つの資本主義がある…」

《日経新聞から世界の動きを読む! 記事の要約・ポイントと林メモ》

◆アメリカ財政は持続不可能か!? 世界には3つの資本主義がある…

☆1月19日付 タイトル「米財政拡張 支える世界」金利求め国債大量購入 赤字、年1兆ドル超え(ニューヨーク 後藤達也氏)

・米政府の財政赤字額は年1兆ドル(約110兆円)を超え、先進国全体の8割を占める。利払いは年43兆円に膨らみ、債務は雪だるま式に増えかねない。チャールストン大学のバンデンバーグ教授は「米財政は持続不可能な道を進んでいる」と警告。

米国債には下落のリスクがあるが需要は強い。その理由は、米国債には1%以上の金利が付くから。金利が残り、供給が大量にある米国債に、投資家のお金が向かうのは当然。

米政権はお金が欲しい。投資家は投資先が欲しい。両者は「もたれ合い」の関係にある。

米国債の最大の買い手国は、かつては中国だったが、今は日本。日本の生命保険会社や銀行などが買う。欧州やアジア各国も購入を増やし、中東や南米、アフリカの国々も参加。即ち、世界中がアメリカ国債を買って、その財政を支えている。

【林メモ】米国債が買われるのは金利に魅力があるからだが、国債下落による損失のリスクが付きまとう。果たしてアメリカは、このまま世界中からお金を吸収し続けることが可能だろうか?オーストラリアの山火事に見るような地球環境の悪化、アメリカvsイランの偶発的な戦争勃発の危機、人民暴動を招きかねないチャイナの疫病流行などによって、世界経済が一気にほころびを見せるかも知れない。成長し続けなければ維持出来ないという私益膨張資本主義は、既に限界を迎えている。米政府の財政拡張の結末やいかに!?

☆1月23日付 タイトル「資本主義 再定義探る」ダボス会議、格差・環境が転機

・世界経済フォーラムの年次総会である「ダボス会議」は今年で50回目。今回の主題は「資本主義の再定義」。株主への利益を最優先させるやり方によって、格差(不平等)が拡大し、環境問題が悪化した。その解決のため、従来の株主資本主義ではなく、ステークホルダー(利害関係者)資本主義を求める声が高まってきた。ステークホルダーは会社を取り巻く利害関係者のことで、社員・顧客・仕入れ先・地域社会・環境・株主など。

【林メモ】現在、世界には3つの資本主義が存在しているという。第一は、従来型の「私益膨張資本主義」で、格差拡大と環境悪化によって限界が露呈。第二は、それに代わる「公益資本主義」で、ステークホルダー資本主義ともいう。第三は、チャイナの国家主導資本主義であり、意志決定の速さ等によって一気に成長した。だが、格差と環境悪化は私益膨張資本主義と変わらないことから、チャイナ型経済は、その亜流と見ることも出来よう。

チャイナの歴史を見ると、飢えた人民の不満に、軍閥の割拠、宗教反乱、異民族の侵入などが重なって大暴動が発生し、革命が繰り返されてきた。米中経済戦争、香港の民主化運動の波及、疫病流行による社会の混乱などが相俟(あいま)ったとき、強固に見えた体制が音を立てて崩れ去ることもあり得る。一段と世界情勢から目を離せなくなってきた!