No.41 五感と第六感を、どう鍛えるか

達人は殺気を感じて身を守った

五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のことです。大和言葉では「ミル」、「キク」、「カグ」、「アヂハフ」、「サハル」と言います。

それぞれに意味があり、ミルは、マナコ(目)で変化を捉えて物の本体を明らかにすること。キクは、ミミ(耳)で強く受け入れること。カグは、ハナ(鼻)で(目に見えない)はっきりしないものを感得すること。アヂハフは、シタ(舌)の上で(味を)持続的に開き広げること。サハルは、テ(手)を繊細に動かして触れることです。

第六感の心覚は、大和言葉では「サトル」と言います。サトルには、ココロ(心)で繊細な動きを把握するという意味があります。

これらの働きが、過敏になることも鈍感になることもなく、素直に働いていることが大事です。物事をカムナカラ(カンナガラ、神さながら・自然のままの意)に受け止められるかどうか、あるがままに感覚出来るかどうかです。

カムナカラであれば、自分にとって今何が必要なのかを自然に掴めるようになります。何を食べ、どれを飲んだらいいかが分かるのです。あるいは、危険を事前に察知することも可能になります。武道の達人が殺気を感じて身を守ったのも同様です。

まさに五感と第六感は、生地にある生命体を守るためのセンサーなのです。いわゆる「行」と呼ばれるものは、これらを鍛えることが基本になっていました。

勘は磨けば働くと信じることが肝要

五感と第六感を鍛える根本を述べておきます。視覚を鋭敏にするには、室外は緑(植物)を、室内は淡い色を基本にします。エスキモーは白銀の世界に生きておりますから、沢山の白色を見分ける力を持っています。

聴覚を鋭敏にするには、静寂の中に身を置くのが一番です。過激な人工音は、出来るだけ避けましょう。

嗅覚を鋭敏にするには、自然の香り(ニホヒ)が大切になります。そのとき好きだなと感じる香りが、現在の自分を癒すのに必要な匂いとなっています。

味覚を鋭敏にするには、薄味に調理し、自然の持っている味わいを活かすことが肝腎です。濃い味付けばかりでは、舌が麻痺してしまいます。

触覚を鋭敏にするには、普段から手先を繊細に使う作業に勤しむのがいいでしょう。書道や陶芸などが「行」になります。行といえば、禊ぎ(みそぎ)は皮膚そのものを鍛える行でもあります。

心覚ですが、これを鋭敏にするには、まず五感を整え、そこから勘を働かせるようにします。受付の雰囲気を目で見ただけで会社全体の志気を覚るとか、音を聴いただけで欠陥品を察知するとか、匂いや味で食べ物の産地や善し悪しを知るとか、さわっただけで治療に必要なツボを見抜くとかいうのがそれです。

勘を働かせる際、人間には勘というものがあり、勘は磨けば働くと信じることが肝要です。松下幸之助翁の言葉を借りれば、「勘ほど確かなものは無い」ということになります。(続く)