No.43 熱や痛みは、身体が発するシグナル

過労を避け、無理せずよく休むことが必要

生地から死地への移動ばかりでなく、反対に死地から生地への移動もあります。そのままでは死地に向かうはずの者が生地に留まったり、既に死地に入っている者が生地に復活したりするケースです。

そのために大切なことは、何よりも自己管理です。暴飲暴食といった不摂生を戒め、普段から体を鍛えておきましょう。贅沢で怠惰な生活、目的や生き甲斐のない生き方が、衰えを早めることは言うまでもありません。

それから、適切な休息の必要性です。筆者の体験から言いましても、過労を避けるよう、身体が辛いときは無理せずよく休むことが肝要です。動くことと休むことのメリハリが大事であり、まだ大丈夫と思っていても、一定の時間が経過したら必ず休息を取るようにし、疲れを溜めないよう心掛けましょう。

さらに、一日における「動と静のバランス」と共に、一週間・一月・一年といった期間の中での休息も、意識して取るようにしたいものです。一週間に一日、または一月に数日、根を詰める仕事から離れて、精神と身体を休める日を設けるのです。

その際、「今日は何もしないで終わってしまった」などと嘆くのではなくしっかり癒せたことをプラスに受け止めるようにしないと、気持ちが休まりません。「休むことも仕事の内」という考え方を持ちましょう。

それから一年に数回は、まとまった休みを取って、深く蓄積した疲労を取ることも大切です。正月休みや夏休みなどを、上手く確保するのがいいと思います。

警告としての症状と、いわゆる病気は違う

また、定期的な休み以外に、意識して休息を取らねばならない場合もあります。それは、身体が警告を発しているときです。身体には、自己防衛の機能が備わっています。身体は、いろいろなシグナルを出すことによって、死地に向かわないよう防御に努めているのです。

身体に起こる様々な症状は、その多くが自然治癒力の現れと言われています。体がだるいとか重いとかいった初期症状の段階で手当てすれば、大抵は容易に回復させられるはずです。

身体が発するシグナルには、だるさや重さの他、熱や痛み、吐瀉や下痢などがあります。発熱は病原菌を増殖させないための自然治癒力の現れ、痛みは身体の使い方を改めよという警告、吐瀉や下痢は悪いものを出すための排毒作用です。
これらが上手く機能している状態が健康体であり、熱も痛みも、死地に行きそうな身体を生地に引き戻してくれる尊い働きなのです。

そうしたシグナルとしての症状と、いわゆる「病名の付いた病気」は違うのではないでしょうか。警告を無視し、休息しないでいる内に、臓器や器官に異変を来してしまった状態が病気(疾患・疾病)ということになると思うのです。
(続く)