No.57 気丈な女に支えられてこそ、男は危機を突破していける

天から頂いた我が持ち分、すなわち天分を生かせ

第五十四章の続きを述べてまいりましょう。「之(道の働き)を我が身に修めれば、その徳はすなわち純真となる」と。

道の働きを我が身に修めるというのは、天から頂いた我が持ち分、すなわち天分を生かすということです。(天地自然の原理である)道は、自分自身の中にも働いています。それが天分や天性であり、これが損なわれなければ素朴・純真でいられるというのです。

ここでの「徳」ですが、徳は得に通じます。道に則ることで得られる得意能力や、個性的魅力が徳となります。得意能力も個性的魅力も、本来の自分が持っている純真な徳なのです。

そして、道は我が身に働くばかりでなく、同様に家には家の道、郷里には郷里の道、国には国の道、天下には天下の道があります。それらを掴めば、物事は上手く運ぶようになると老子は唱えました。

家に仏壇を祭っている経営者は、再建の可能性が高い

家と言えば、倒産から立ち直る会社の経営者には、共通している基本があると聞きました。倒産した人を救う「八起会」の野口誠一会長によれば、倒産した人の80%は自宅に仏壇が無いとのこと。逆に言えば、家に仏壇を祭っている経営者は、再建の可能性が高いということになります。仏壇というのは一つの象徴であり、要は先祖供養を大切にしているかどうかです。

先祖に心を込めてお祈りしている経営者は、先祖の守護を頂きやすくなり、困難や苦労を乗り越えていく底力を持つことになります。先祖の念子が“味方”になってくれるわけで、苦しいときに助け手が現れ、地獄で仏に出会ったような感じで救われるといったことが起こるのです。

実際、先祖供養に熱心であれば、思いが過去に遡(さかのぼ)っていき、多くの恩人に対する感謝の念がわいてきます。また、子孫に良いものを残していきたいという、将来世代への願いも生まれます。この過去から現在、さらに将来へと続くタテイトの精神が、大道を踏み外さないよう自分を守ってくれる基本となるのです。

危機を越えていく上で重要な要件が夫婦円満

そして、危機を越えていく上で重要なのが、夫婦円満だそうです。これが、倒産から立ち直るための、欠かすことの出来ない要件となります。

夫婦仲が悪いと、その険悪な雰囲気がブレーキとなって、解決に進もうとする力が削がれてしまいます。「こんな女(男)のために、何で自分は苦労しなければいけないのだろう。一緒に苦労する意味が分からない」という気持ちになるのです。

夫が本当に行き詰まったときに、腹を括って救ってくれるのが妻という存在です。ここ一番というとき、気弱になっている夫の横で、妻のほうが太っ腹になることがあります。そういう気丈な女に支えられてこそ、男は危機を突破していけるのです。

こうして、先祖に守られ、夫婦仲が円満となれば、当然のこと家は繁栄します。その繁栄が「余る」ということの意味でしょう。(続く)