No.66 言霊信仰~言葉に出した通りの人生となる

言葉には、物事を実現させる力がある

信用出来る人は、「言葉と行動の一致する人」です。言ったからにはやる、やるからこそ言う。そうであってこそ、その人を信じられることになります。

ところが、言葉はしばしば空虚になり、発言が軽くなっていきます。言葉と行動が不一致になった結果、言葉では表現出来ないものがあるとか、言葉は立て前に過ぎない、などと言われてしまうことになるのです。

確かに、言葉だけでは信じられないことが多いですし、本音は行動を見なければ掴めません。それが現実であるものの、日本人が言葉を大切にしてきたことも忘れてはなりません。私たちが目標を立てて行動し、それを実らせるためにも、言葉はもっと大切にされなければならないのです。

言葉には、物事を実現させる力が秘められております。人間は言葉に出した通りの人生を歩むものですし、そもそも運命を創る基本は言葉なのです。我が国は言葉によって生成発展していく国であり、そのことを「言霊(ことだま)の幸はふ(さきわう)国」や「言霊の助くる国」と言い表してきました。言葉自体の霊力によって幸せになる国、助けられる国という意味で、これを言霊信仰と言います。

「思い通りにならない」と口にした通り、本当に思い通りにいかなくなる

こう述べますと、ちょっと待った、それは違うよ。そんなに世の中は甘くない、人生は言葉に出した通りにはならないものだという反論が出るでしょう。思った通りにいかないことが多いのが現実だと。

一体、言霊信仰は真実なのか、それとも言葉は単なる音波に過ぎないのか。どちらが本当なのでしょうか。

言葉の力の否定する人をよく見ますと、「人生は思い通りにはならない」という言葉を、普段からよく口にしています。口にしないまでも、そういう考えに基づいた生き方をしている場合が多いようです。

そうして、言葉の力を認めない側に立っているとどうなるでしょうか。言霊信仰によれば、言葉に出したその通りの人生になっていくのですから、「思い通りにならない」と口にした言葉の働きによって、その通りに言葉に表しても実現しない人生へと導かれていくことになります。

あるいは、具体的な事実に基づかない観念的な言葉ばかり用いていれば、実在と遊離した人生になりますし、嫌だ・出来ない・駄目だ・恐いといった逃げ言葉ばかり口にしていれば、本当に卑怯な人間になっていきます。まさに、言葉に出した通りの人生になるのです。

勿論、言葉に出せば何でもすぐに実現するかと言えば、決してそうはいきません。どんな事でも、実るまでの時間(タイムラグ)というものがあります。言葉に出し、その通り実践し、努力を重ねる内に実現に向かうのです。達人に近付くほど、言葉と実現の時間差が縮まっていくのですが、それには修練というものが必要になります。

兎に角「言葉は言葉、行動は行動」というふうに分けるから、その発言の通り「言葉と行動が分離した人生」になってしまうというわけです。(続く)