No.107 政治家・経営者が、歴史や人物に学ぶ理由

◇達人には、常人の力を超えた何かが備わっている◇

達人と念子の関係について、ここで改めて述べておきます。
達人には、常人の力を超えた何かが備わっており、通常その力は天分や天性に起因しております。

天分は生まれながらに備わっている、「天から頂いた我が持ち分」のことです。天性というのも同じことで、「天から受けた我が個性」のことです。

一般的に天分や天性は、その名の通り先天的なものとされています。
体格がいいとか、運動神経や音感が優れているというようなもので、まさに先天的な素質です。

しかし、全てが先天的に決まっているかというと、必ずしもそうではありません。後天的に芽生えてくる要素も少なからずあります。

ある事に対して、素質が乏しく向いていないと見られていた。ところが、諦めることなく繰り返し修練するうちに、先を行く人を追い抜いて、立派な成果を上げるようになってきたというような人がいます。

そういう場合、ある段階から高い念子を受け止められるようになっていたはずです。周囲は「眠っていた才能が開花した」などと言いますが、(才能が隠れていたにせよ)必要な高念子を受信出来る力が身に付いてきていたということであると思うのです。

◇達人や創造者は、例外なく高念子の受信者◇

いずれにしても、達人は高念子を受けています。音楽なら音楽、芸術なら芸術の俊才は、昔の天才たちが残した念子を受信し、それによって素晴らしい作品を生み出しました。

そのことを、本人が自覚しているかどうかは別です。その道の先達から何の学びも受けることなく達人になったという人は滅多にいないもので、先人の作品に触れ、そこに残されたイメージ(作風や思想)に学ぶなどすれば、必要な念子を吸収していることになるというわけです。

武道家なども、古(いにしえ)の剣豪や格闘家の念子を受信しつつ、稽古の果てに自分の流儀を開発しました。いわゆる開眼です。どんな分野であれ、達人と呼ばれる人、創造者と言われる人は、例外なく高念子の受信者であると考えていいでしょう。

それから、守護霊や指導霊などというものがあります。それは、その人を守ったり導いたりすることになった高念子のかたまり、即ち念子体を呼んだ言葉だと思います。先祖が守護霊となる場合が多いのは、先に述べた通り子孫と同調し易いからです。

◇政治家や経営者は、広く・長く・深く考えねばならない◇

念子や念子体を基本にすると、色々なことの意味が明瞭になってまいります。
政治家や経営者が、なぜ歴史や人物学に惹かれるのか。それは、歴史に登場する人物から高念子を受けるためです。

政治家や経営者ほど、広く・長く・深く物事を考えなければならない人はいません。「広く」は全体的・多面的、「長く」は歴史的・将来的、「深く」は中心的・根本的という意味を含んでいます。

国や自治体の経営をするのが政治家であり、地域と業界、会社を統括していくのが経営者の役割です。責任の重い仕事をしている分、人よりも全体を眺められる高い位置に立たねばなりません。

ところが思いの外、目の前の細事に追われ、小事に囚われてしまうのが、政治家や経営者の日常でもあります。気が付くと、足元しか見ていない自分を発見することになります。

だからこそ指導者たちは、歴史や人物に学び、哲学・思想に己(おのれ)を晒(さら)すことによって、毀誉褒貶(誉められたり貶されたり)に左右されない胆力を養い、大局を観る目や、遠くを慮(おもんぱか)る時間軸の長さを身に付けようとしてきたのです。それが結局、高念子を吸収する作業になるということは言うまでもないことです。(続く)