No.133 老子の教えに、いち早く目覚めた者の役割

◇自己崩壊するところまで来た旧資本主義経済◇

略奪膨張型の旧資本主義経済は、資源をどんどん使い、地球環境を破壊し続け、とうとう自己崩壊するところまで来てしまいました。この流れを変えるのが、共生文明に基づく公益資本主義です。

公益資本主義には、次のようなキーワードがあります。天地自然の原理に従いつつ人間活動を発展させていく「天本主義」、地産・地流・地消に基づく「地域経済生態系」を大切にする「地本主義」、お客様はもとより社員の幸福を重視する「人本主義」、会社や活動を着実に生長させていく「年輪経営」などです。

これらのキーワードを生かすなら、未来に向かって持続可能な社会が成立するものと思われます。が、全く何のショックも起きずに次の文明(共生文明)に移行出来るかどうかです。年を追う毎に、文明転換がどういう形で起こるかという憂いが深くなってきました。最近の感覚としては、一度大ショックを経ないと、多くの人が文明交代期を乗り越えることに決意を固められないのではないかと思うくらいです。

◇中途半端な対策を施すことよりも、滝壺に落ちた後の大改革を◇

日本と世界は、滝壺に落ちる直前の船のようなものです。一刻も早く、船を岸に繋げなければなりません。筆者がこのように訴えてから、15年ほど過ぎました。世の中の実態は、政治を見ても経済を見ても、むしろ船のスピードを速めてきたとしか言いようがありません。

環境破壊で異常気象が常態化し、大国覇権主義で政治が混乱し、欲望民主主義で財政が破綻し、略奪膨張資本主義で経済が終焉に向かい、拝金個人主義で人間がダメになった今、中途半端な対策を施すことよりも、むしろ次の手を考えたほうがいいのかも知れません。次の手とは、滝壺に落ちた後の大改革のことです。そのときこそ、老子の教えが真に必要になるはずです。

◇人と自然が共生する新文明に“復帰”させよう◇

文明の転換を経て、これから人類の価値観が大きく変わって(進化して)いくでしょう。利益を上げるために高級品化された「得難い財宝を貴」ぶことよりも、日常のありふれた物、自然や伝統を生かした物の持つ「内面の価値」を重んずる時代に入ります。

老子の教えに共鳴して下さる皆さんには、いち早く目覚めた者の役割があります。現代文明にどっぷり浸かったままでいる「民衆の行き過ぎたところを(本来の姿に)復帰させる」という役割です。略奪膨張資本主義など「旧文明の原理」に取り込まれたまま焦っている人に対して、その行き過ぎを緩めさせ、人と自然が共生する新文明に“復帰”させねばなりません。

「そうして万物の自然(な在り方)を助けて、敢えて(無理な事は)為さない」という道家の教えを原理とすれば、きっと宇宙から見て恥ずかしくない新文明が創造されるものと思われます。(続く)