No.10 表・裏、実・虚で、大きく4つのタイプに分類

◇老子は、見かけはパッとしないものの中身が優れている人を理想とした◇

見かけと中身を比べたとき、世の中には、いくつかのタイプの人がいることに気付かされます。表と裏、実と虚で見れば、大きく4つのタイプに分類されるのです。「表」は外面や見かけ、「裏」は内面や中身、「実」は充実、「虚」は空虚のことです。

4タイプの(1)は表実・裏実タイプ、(2)は表実・裏虚タイプ、(3)は表虚・裏実タイプ、(4)は表虚・裏虚タイプです。それぞれの意味を簡単に述べますと、(1)は見かけも中身も立派な人、(2)は見かけは立派だが中身に乏しい人、(3)は見かけはパッとしないものの中身が優れている人、(4)は見かけも中身もみすぼらしい人となります。

孔子などの儒家であれば(1)の表実・裏実タイプを尊びますが、老子などの道家は(3)の表虚・裏実タイプを理想としました。そこには深い意味があります。その理由が出ている『老子』第六十八章を見てまいりましょう。

◇武張らず、怒らず、争わず、下手に出る◇

《老子・第六十八章》
「優れた士である者は武張(ぶば)らない。巧みに戦う者は怒(いか)らない。
上手(じょうず)に敵に勝つ者は争わない。巧(うま)く人を用いる者は相手の下手に出る。

之を不争の徳と謂(い)い、之を人の力を用いると謂い、これを天の極みに配すと謂う。」

※原文のキーワード
優れた…「善」、武張らない…「不武」、巧み…「善」、怒らない…「不怒」、上手…「善」、争わない…「不与」、巧く…「善」、相手の下手に出る…「為之下」
(続く)