No.85 日本が良くなるなら、自由に使って欲しい

◇「原大本徹」は原点・大局・本氣・徹底の略◇

自分のために積まないで人に与えていると、いつの間にか自分が豊かになっているということを、筆者の例から一つ述べてみます。筆者が組み立てた「立志のための研修法」に「原大本徹」があります。「原大本徹」は原点・大局・本氣・徹底の略で、原点は種、大局は根、本氣は幹、徹底は枝葉に置き換えることが出来ます。

原点は、立志の大元にあたる素志のことです。何のため・誰のため、どう生きるかを決めていく起点とも言えます。これが種となって「何処まで我が事と思えるか」という人生の根(基盤)が広がります。また、「これで行くぞ!」という太い幹が志として立っていきます(立志)。

そうして、良い種から根が広がり、どっしりした幹が年輪生長していけば、ブレない人生となります。やがて豊かな枝葉が茂り、結果として花が咲き実を結ぶことにもなるのです。(枝葉の繁茂には、知恵や工夫、手順、戦術・技術、編成、規約・規則といったものが必要になります)。

◇弟子たちが自発的に採り入れる◇

この、人生を大木として育てるための手法で、これまで数多くの経営者や社会活動家、政治家を育成(サポート)してまいりました。平成27年度で第10期となる林塾「政治家天命講座」も、原大本徹が研修の柱となっています。初期の頃は、塾長である筆者が先頭に立って「原大本徹」を教えましたが、途中からは先輩が後輩を指導する形に変わりました。

すると、面白い現象が起きました。「原大本徹」を学んだ弟子たちが、さらに自分の弟子に対して、この手法を自発的に教えるようになったのです。林塾のメンバーの多くは政治家(議員)であり、大学からインターン生を迎え入れている者が沢山います。そのインターン生に対する導入研修で、「原大本徹」を採り入れるようになったようです。

筆者の記憶では、使用の申し出は特に受けていません。おそらくインターン生を迎えている塾出身者の誰かが「原大本徹」を用いるようになり、その評判が横に伝わって広まったのだと思われます。弟子たちが行う青年育成であり、どのみち無償で使用を許可するつもりでしたから全く問題ありません。

最初から私は、自由に使って欲しいと思ってやってきました。弟子の成長に役立つなら結構なことだし、それで日本が良くなるなら大いに嬉しいことです。

◇イエスや孔子、釈尊ら、聖人の教えが世界に広まったのは何故か◇

イエスや孔子、釈尊ら、聖人の教えが世界に広まったのは何故でしょう。それは教えを広める弟子たちがいたからです。聖人らは、自分の教えを弟子たちが活用する際に、いちいち“使用料”を取ったでしょうか。聖人がこの世を去り、教団組織が出来てからは分かりませんが、存命中はただ与えるのみだったに違いないと拝察します。

筆者は煩悩に生きる愚人にして無能非才の凡人ですが、聖人を少しでも見習いたいという思いから、この「原大本徹」を林塾の弟子に対してオープンにしています。

それに、家元になって資格を与えるような方法が面倒だからでもあります。許可は不要、免許は出さない、使うときは自己責任。そう心に決めてやってきました。

皆が成長して幸せになってくれたら、それが“報酬”であり、筆者にとっての豊かさなのです。孫弟子や曾孫弟子を含めたら、既にどれだけの人に伝わったのか数えきれません。筆者が昼寝をしている間も、その中の誰かが全国各地で「原大本徹」を啓蒙してくれているかと思うと、本当に豊かな気分になるではありませんか。

将来何処かで「原大本徹」の指導法を身に付けた人から、「あなたの志は何か?もし志を立てたいなら私が助言してあげよう」などと声を掛けられてみたいと願っています。そのときは茶目っ気を出して知らないふりをして、言われるままに教えて貰い、どう伝わっているかを確かめてやろうと思います。(続く)