No.15 仲間同士で争い合っていてはいけない

つまり天照大御神は、子孫として続く代々の天皇に対して、徳(とく)の政治を行うよう求めたのです。徳の政治というのは、人間性の高さで世の中をまとめる政治のことです。

それには、うそ偽りのない誠とくもりのない明智(めいち)、愛情と真心、正義と勇気による大徳(だいとく)が必要です。大徳をもって、永久に続く平和の国を建設して統治するよう、高い使命に奉仕(ほうし)しなければなりません。
その精神を、大御神は三種の神器によって示されたのです。

大御神の尊いお考えと、それを受け継がれる歴代天皇の重いご責務(せきむ)を思うとき、私たちは感激の涙を流さずにはいられません。

三種の神器は、大日本主義がいかに人道主義と平和主義にかなっているかを証明しています。(人道(じんどう)は人の守るべき道のこと)。その大切な精神が、歴代の天皇によって常に発揚(はつよう、現して上げること)顕現(けんげん、明らかに現れること)されていることを、これから述べていきます。

明治天皇御製(ぎょせい、天皇がお詠みになったお歌)

「国のためあだなす仇(あだ)はくだくとも いつくしむべき事な忘れそ」
日本の国に危害を加える敵は打ち砕かなくてはならないが、敵に対しても慈愛の心を決して忘れてはなりません。

「千万(ちよろず)の民と共にもたのしむに ますたのしみはあらじとぞおもふ」
限りなく多い国民と共に生きることの楽しみの、それ以上の楽しみはないと思います。

「よもの海みなはらからと思ふ世に など波風(なみかぜ)のたちさわぐらむ」
世界の人々は兄弟と同じくらいの仲間同士であると思われる時代なのに、どうして争いが起こるのでしょうか。「はらから」…同胞(どうほう)、兄弟、同じ仲間。「波風のたちさわぐ」…争いが起こるようす。 (続く)