No.22 皆で話し合って衆知を集めるのは、日本政治の伝統

今から1300年以上も前に(現代からは1400年以上前)、聖徳太子(しょうとくたいし)という立派な政治家が現れました。
太子は「憲法十七条」という、政治や生活の心得にあたるものをおまとめになりました。その第十七条に、次のように書かれています。

「物事は一人で決めてはいけません。必ず皆で話し合いなさい。小さくて重要でない事なら、いちいち皆に聞かなくてもいいでしょう。
でも、重大な事の場合は、間違いによって損失が生じないよう十分気を付けなさい。皆でよく話し合えば、言葉に筋道(すじみち)が備わるはずです。」

一人で思い通りに動かしてやろうという独断や、わがまま好き勝手な専横(せんおう)とは違う、衆知(しゅうち)を集めるやり方が、日本には1300(1400)年以上前から存在していたことが、この憲法十七条から分かります。

また、明治天皇は、明治の時代の初めに「五箇条の御誓文(ごかじょうのごせいもん)」を公布(こうふ)されました。その第一条に「広く会議をおこし、あらゆる事を皆の議論で決めよう」と示されています。
原文は「広ク会議ヲ興シ万機(ばんき)公論ニ決スヘ(ベ)シ」です。

立憲代議政治は、昔も今も我が国の本質です。日本政治の根本精神も、太陽と同じで最古にして最新なのです。

それから思想面で言えば、現在最も新しい世界的な思想は、国民を根本とする「民本思想」です。この民本思想も、不思議なことに日本建国の思想と同じで、やはり古くて新しいのです。このことは、後の章で触(ふ)れることにして、本章では共産思想について述べておきます。(続く)