No.25 日本は最も新しい国であると同時に、最も古い歴史を持つ国

それから、近年日本で流行しているボーイスカウト(少年団)も、発端(ほったん、起こるきっかけ)は日本にあります。英国人(イギリス人)のバーデン・パウエル(1857~1941)という人が始めたので、英国から起こったと思っている人が多いのですが、そうではありません。

バーデンは英国の陸軍中将でしたが、日本に来て薩摩の健児の社や会津の白虎隊(びゃっこたい)を知り、それらからヒントを得、帰国してから少年を訓練させるためのボーイスカウトを創始したのです(西暦1907年)。

かつて我が国では、少年の訓練を特に重んじており、武士ならば7~8歳から遅くとも12歳までには訓練を始めました。そして、15歳で元服(げんぷく)して大人になります。回りの者たちも、元服した本人を一人前に扱いました。
我が国では、早くから青少年教育を熱心に行っていたということが分かります。

最近流行している運動競技にしてもそうです。日本で昔から行われてきた猿楽(さるがく)、流鏑馬(やぶさめ)、蹴鞠(けまり)、剣術、柔道、槍術、弓術、馬術、角力(すもう、相撲)などに、鍛錬による効果や爽快な娯楽性(ごらくせい)がありました。個人を鍛えることにおいても、団体として育てることにおいても、西洋から入ってきた運動競技に負けないものがありました。

我が国は、最も先を進んでいる新しい国であると同時に、最も古い建国の歴史を持つ国です。日本国は、太陽のように最も古くて最も新しい国なのです。国民一人ひとりとしても、古いものを学び、新しいものを開発する温故知新(おんこちしん、昔の古いことを学んで新しい時代に生かすこと)でなくてはなりません。

林英臣の補足:健児の社は、薩摩の青年藩士の教育機関。先輩が後輩を指導する郷中(ごじゅう)教育の伝統を受け継いでいました。白虎隊は、会津藩の武士の部隊。15歳~17歳の少年で編成されていました。会津戦争(戊辰戦争)で自決した悲劇の歴史で知られています。

元服は昔の成人式。元は首のことで頭を、服は着(つ)けることを意味しています。冠をかぶる儀式が成人式となっていたのです。猿楽は平安時代に成立した伝統芸能で、能楽の元になりました。流鏑馬は、馬を走らせながら矢を射る儀式です。

蹴鞠は鞠を蹴り合う儀式で、勝敗を競い合うものではありません。皇極天皇の4年(西暦644年)に、中大兄皇子が蹴鞠を行っていたことが日本書紀に記されています。中大兄皇子は大化の改新を起こされ、のちに即位して天智天皇となります。(続く)