No.35 祭祀も政治も「まつりごと」

5 日本は徳を以て政治の本とす(日本は徳を政治の基本としている)

日本では、国家を統合する権限が天皇にあり、天皇に替わる存在はありません。天皇は実在の神として、その徳を体現(たいげん)されています。

天皇は武力や金力ではなく、神徳(しんとく)で日本をまとめています。明治維新のときであれば、一人の兵隊もお持ちでないのに、大兵力を率いている各藩が天皇に従いました。それは、天皇のご神徳によるものでした。

昔から日本は、祭政一致(さいせいいっち)の国です。政治というものを、権力闘争を生き抜き、政局を運営するための技術と考えている欧米諸国とは、全く思考が違うのです。

祭りとは、神々を敬い、ご先祖を崇(あが)めることです。それを敬神崇祖(けいしんすうそ)といいます。祭りに臨(のぞ)むときの心がけは、これ以上ない公平な心となって私心を挟(はさ)まないことにあります。まさに神の心となり、ただひたすら感謝と敬いの念で、神様をお祭りするのです。天皇はいつも、この最高に気高い大御心(おおみこころ)によって、政治全体をまとめていらっしゃるのです。

太陽が大きな徳で宇宙を統御(とうぎょ)しているのと同じで、我が国の天皇は、ご神徳を政治の基本として国民をおまとめになります。これは例(たと)えようもなく有り難いことです。ここにも、大日本主義が太陽主義であるという理由の一つがあるのです。

林英臣の補足:祭祀(さいし)と政治は、大和言葉で両方とも「まつりごと」と言います。神々やご先祖を祭ることと、国家国民をまとめることは同じことなのです。(続く)