No.44 日本経済の行き詰まりの原因は、職業尊重の精神が欠けているところにある

世の中には、無数と言っていいくらい沢山(たくさん)の職業があります。その、どの一つを抜き去っても、社会全体が困ってしまいます。世の中から農業がなくなれば、食べ物が無くなって困ります。建設業がなくなっても、理髪業(りはつぎょう)が消えても、社会全部が困ってしまうのです。それが正しい仕事であれば、すぐに困るか、段々(だんだん)影響が及んできて困るかは別にして、誰もが大変困ってしまうのです。

ところが最近の日本人は、他人の職業を賤(いや)しむというよりも、むしろ自分の職業を、より卑(いや)しめているようです。「君の職業は何ですか」と聞かれたとき、頭をかきながら「僕は、つまらない百姓をしています」とか、「大(たい)したことない工場の工員です」とか、「ダメな安月給取りです」などと答えます。はじめから自分の仕事を劣っているものとして卑下(ひげ)し、バカにされはしないかと恥ずかしそうにしゃべっている有り様(ありさま)です。

これでは、職業に魂を打ち込めません。真剣になれないから、向上発展しません。昨今(さっこん)、日本の経済が行き詰まっている最大の原因は、この職業尊重の精神が欠けているところにあるのです。このことに、早く気付かねばなりません。

太陽を見れば、赤の仕事も、青の仕事も、その他の色の仕事も、どれ一つ除け者(のけもの)にされることなく、それぞれの役割がしっかり発揮され、世界を明るく照らすことができております。

よくないのは「職業を尊重しない考え方」であり、嫌うべきは「職業によって、それに従事する人の人格まで賤しく見てしまう心」です。私たちは、毎朝新しく甦(よみがえ)る太陽をお手本に、日本国が建国された頃の理想に燃えた精神に戻り、人を差別する思想のすべてを撤廃(てっぱい、とりやめること)しましょう。

そうして、ひがむことも、おごり高ぶることもなく、互いの職業を尊重し合い、毎日元気に自分に与えられた仕事に全力を注(そそ)いでいこうではありませんか。(続く)