No.51 国家、会社、学校、家庭、それぞれに中心がある

人間社会を見れば、中心や中心者の存在が、いっそう明確(めいかく)になります。国家には元首(げんしゅ)、実務(じつむ、実際の業務)としての政治には首相(しゅしょう、総理大臣のこと)、宗教には教祖、会社には社長、学校には校長、家族には主人(しゅじん、世帯主(せたいぬし)ともいう)がいて、それぞれの中心者となっています。

中心は、目に見えないものもあります。国家には国是(こくぜ、国の大方針)、宗教には御祭神(ごさいじん、大切に祭っている神様)や御本尊(ごほんぞん、大切に祭っている仏様)、会社には社是(しゃぜ、会社の大方針)や経営理念(経営の根本となる考え方)、学校には建学の精神(けんがくのせいしん、学校を建てた目的)、家庭には神棚(かみだな、神様を祭っているところ)や仏壇(ぶつだん、仏像や先祖の位牌を置くところ)、あるいは家訓(かくん、家族が守る教え)という中心が存在します。

もしも中心がなければ、「一つにまとまったもの」がないということになります。家庭に中心がなければ家庭がないことになり、宗教に中心がなければ宗教がないことになり、国家に中心がなければ国家がないということの証拠(しょうこ、事実を証明する根拠のこと)となります。

林英臣の補足:日本が中心を尊ぶ国であることの証拠として、『古事記(こじき)』の神話に登場する最初の神が、「天之御中主神(あまのみなかぬしのかみ)」であることをあげたいと思います。天之御中主神は「宇宙の中心を司る神」のことです。

中心は、大和言葉(やまとことば、漢字が日本に入ってくる前から話されていた言葉)でミナカといいます。そして、ミナカから全体に伸びていって各部分に伝わる方向がタテ(縦)、部分同士がつながる方向がヨコ(横)となります。ミナカがあり、タテヨコがしっかり結ばれていれば、クミ(組)と呼ばれることになります。

中心があって一個にまとまっているのは、大きくは太陽系ですが、小さくは物質を構成する元素である原子がそうです。原子は、中心に原子核があり、その周囲を電子が回っていることで構成されています。(続く)