No.68 無私の心で命懸となって励むのが忠孝の生き方

2 忠孝(ちゅうこう)を本とし反逆(はんぎゃく)を赦(ゆる)さず(忠義と孝行を基本とし、反乱を起こして逆(さか)らうようなことがあってはなりません)

◆無私の心で命懸となって励むのが忠孝の生き方

我が国は忠孝一本の国です。忠孝は、忠義と孝行のことです。これらを基本に、日本国は神代の昔から開(ひら)けてきました。

忠義は、中心を尊び、正義を重んずること。孝行は、祖先を敬い、心を込めて親に仕(つか)えることです。祖先や親という、自分の原点を大切にするのが「孝」の精神です。

明治時代に出された「教育勅語(きょういくちょくご)」に、国民精神の基本がまとめられています。明治天皇の「国家と国民を思うお気持ち」が示されたのです。その中の一節を見てみましょう。原文は難しいですが、読み仮名(がな)と照らし合わせながら読めばだいじょうぶです。

(原文)「我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス」

(読み仮名)「わがしんみん よくちゅうに よくこうに おくちょうこころをいつにして よよそのびをなせるは これわがこくたいのせいかにしてきょういくのえんげん またじつにここにそんす」

(意味)「我が臣下と国民は、しっかりした忠と孝の精神によって、億兆の人々の心を一つにまとめ、永い世に渡って、その美をなしてきました。これが日本の国柄(くにがら)の最も優れている点であり、教育の根本は、またその中にあります。」

「臣民」…臣下と国民、「國體(国体)」…国のあり方のことで国柄(くにがら)とも言う、「精華」…最も優れている点、「淵源」…根本
「億兆」という数は、今生きている人々だけでなく、この世を去った無数のご先祖も含めています。数え切れないほど多い国民を表しているのです。

「教育勅語」にあるように、忠孝は我が国の最も優れている精神です。教育の根本でもあります。そもそも忠孝の精神は、自分を無(む)にして、すべてに感謝し、中心に献帰(けんき、捧げ奉ること)すること成り立ちます。

それは、最高の誠(まこと)である至誠(しせい)を貫くことです。誠は、真言(まこと)であり真事(まこと)です。言葉と事実が一致しているから誠となり、その最高が至誠です。この至誠を包み隠さないで素直に表し、無私(むし)となって中心に仕え原点を大切にするのが忠孝です。忠孝は、天に則(のっと)る生き方であり人の道なのです。

昔から「忠義の臣下に私心はなく、私利私欲に生きる臣下に忠義の心はない」といいます。忠孝の本質は至誠であり無私です。もしも私心を差し挟(はさ)んだら、中心も原点も見えなくなって、忠孝に徹する(てっする)ことは不可能(ふかのう)となります。

こうして、命懸け(いのちがけ)で励むのが忠孝の生き方なのですから、金や物や地位や名誉を目標にしていて、どうして忠孝を貫くことができるでしょうか。私心が入ったら、すべて偽物(にせもの)となります。

世間には、至る所にこの偽物がいます。でも、目立たない地方の町や村、山の中などに、誠忠(せいちゅう、誠意と忠義)の人がまだまだ多いことを感じます。(続き)