No.70 社員なら社長の志、市民なら市長の志を受け止めてみよう!

3 国民と君本主義(国民が歩む堂々とした大道が君本主義)

◆社員なら社長の志、市民なら市長の志を受け止めてみよう!
~世の中の多くの人が、民本主義と君本主義を誤解している~

君本主義の意義(いぎ)を正しく理解しますと、君本主義は我が国民性であることがよく分かってきます。国民が歩む堂々とした大道(だいどう)が君本主義です。

その大道は、一生に一度か二度といった、日本が危機に陥ったときに通る特別な道ではなく、毎日の通路でもあります。日々実行すべき道が君本主義なのです。

では、日々どのように実行したらいいかというと、家族ならば、一家の幸福に毎日苦労している家長(かちょう、家の主)の思いを支えましょう。市民ならば、市の発展に毎日苦労している市長の志を受け止めましょう。また、社員は社長を、部下は上司を、店員は店長を助けるのです。そうして、それぞれの立場で君本主義を行って欲しいのです。

そして、先に述べた通り、君本主義を実行するための第一要件(だいいちようけん)は、自分を空しくするところにあります。相手によって態度を180度変えてしまうような、表裏(ひょうり、表と裏)ある人間になってはいけません。私心(ししん、自分中心の心)を全然(ぜんぜん、まったく)入れることなく、無私の心で進んで行きましょう。

もしも君本主義を認めない者がいれば、その人は利己主義者(りこしゅぎしゃ、自分の利益になることしかやらない人)であって、自分の得(とく)になるとき以外は、他人を助けたり支えたりすることの、まったくできない者に違いありません。

世の中の多くの人が、民本主義と君本主義を誤解しています。本当の意味を知らず、自分たちの利益を増やして貰(もら)うのが民本主義だと思っていないでしょうか。また、立場の上の者が自分の栄達(えいたつ、地位が上がって栄えること)を画策(かくさく、計画し策略をめぐらせること)し、それを実らせるためにあるのが君本主義だと考えていないでしょうか。

それらは、どちらも同じ感情から起きております。共に利己主義であり、力で押していく覇道(はどう)でしかありません。

では本当はどうなのかというと、上の者が下の者を慈しむときの心得が民本主義であり、下の者が上の者を支えるときの心得が君本主義なのです。これが分からないまま、上の者が君本主義を強制し、下の者が民本主義を要求すれば、対立が起こってうまくいかなくなります。間違った受け止め方なのですから、混乱するばかりで決して栄えることはありません。そのことに早く気付いて欲しいのです。(続く)