No.78 日本のような立憲君主制の国は、簡単には建てられない

我が国では、皇室と国民の関係は、本家と分家の間柄(あいだがら)のようなものです。国民のつながりは、兄弟や姉妹の関係を、国全体に広げたものと言えるでしょう。

それが日本の国柄ですから、国家をまとめる基本は、自然に本家と分家の秩序(ちつじょ、正しい順序や整った決まり)を基盤とすることになります。統治の権限については、本家を代々受け継いできた天皇が保持するのがふさわしいのです。その結合は、順良で美しい親子愛や夫婦愛、兄弟愛が基礎となっています。

政治組織をどう作ったらいいのか、どういう形にしたら国がうまくまとまるのか。これについて、世界中の政治学者がそろって研究しています。でも、いろいろ考えてみても、なかなか名案(めいあん)が浮かびません。

やがて研究者は、中心に立つ君主のもとに国民が結合し、国の形と決まりを憲法(けんぽう)として定めている政治体制が、一番理想的であることに気が付きます。そういう政治体制を、立憲君主制といいます。

でも、日本のような立憲君主体制の国を建てようとしても、簡単にはいかない理由があります。建国の原点に「和の精神」があるかどうか、中心に立つ者の地位が代々受け継がれてきたものかどうか、国民の衆知(しゅうち、みんなの知恵)を集められる「話し合いの文化」があるかどうかが問われるからです。

そこで、次善の策(じぜんのさく、最善ではないが、それに次ぐ策のこと)を考えてみるのでしょうが、それすら発見できないようです。

本当に日本の国体は、理想的で最善のものです。そこへは、どんなに努力しても、千年・二千年という長い年月をかけなければ到達できません。そこに、日本が万邦無比(ばんぽうむひ、たとえ一万の国と比べてみてもあり得ないようす)の国体と言われる理由があるのです。(続く)