No.95 天皇の崩御は、ご天職に殉じられたのだから殉国

ここで一言付け加えたいことがあります。それは、天皇の崩御(ほうぎょ)は、国に殉ずるという「殉国」であらせられるということです。

我が国における天皇の御位(みくらい)は、権利としての立場ではありません。そのお役目は、誠に尊い義務であり、最高最大の奉仕であると拝察します。

しかもそれは、臣民(しんみん)に替わってもらうことのできない絶対的なお立場です。臣民には辞職という責任を取る方法がありますが、天皇は、そのご一生を国家と国民に捧げられているという事実を思うとき、我々は唯々(ただただ)おそれ敬うばかりです。

ご壮健な明治天皇ですら満59歳で崩御されました。案外短命でおかくれになりましたのは、日夜国政の上にご心労を積み重ねられた結果でありましょう。病弱であった大正天皇の15年というご在位も、決して短い年月ではありません。むしろよく堪(た)えてくださったものと感謝するばかりです。

天皇の崩御は、ご天職に殉じられたのですから殉国なのです。生来あまりご壮健ではいらっしゃらなかった大正天皇の崩御は、だからこそ国民として深く痛みを感じないではいられません。

我々国民は、先帝(大正天皇)から頂いたご恩に報いるよう、お互い戒め合い、相励まし合って、一日も早く大日本主義にしっかり立ち、日本が抱える諸問題を解決し、今上陛下(昭和天皇)の大御心を安んじ奉らなければなりません。(続く)