No.96 第一次大戦後、帝国主義的な膨張を進めた米英

英国は帝国主義の本場ですから、その実行は、いつも世界の先を歩んできました。そして、世界大戦(第一次)で英国の帝国主義はいよいよ完成し、全地球の四分の一を越える領土を占有するに至りました。それにも関わらず、今も武器を納めません。アイルランドはもちろんのこと、インド、エジプト、メソポタミア(イラク)などに軍隊を出し、しきりに攻略を進めています。

大戦後のパリ講和会議で、アメリカのウイルソン大統領は、講和のための14か条の原則を提唱しました。ところが、その中で最も意義深かった海洋の原則は、削除されてしまって国際連盟の規約に加えられませんでした。そうして、依然として海洋は英国のものであり続け、英国の海洋に対する帝国主義が続きました。軍備制限の精神を無視し、大拡張を計画していることは周知の事実ではありませんか。

アメリカはどうでしょうか。その世界最大の財力・富力でもって、世界の石油を独占しようとし、あるいは制海権を英国から奪おうとしています。また、露骨にアイルランドの紛争を援助するかと思えば、モンロー主義によって南北アメリカ大陸の主人公を自認している有り様です。

世界大戦の原因は、帝国主義の衝突と、その総決算にあるとし、対策として提唱されたのが国際連盟です。しかし提案国のアメリカは、議会の反対にあって連盟に参加しませんでした。アメリカは英国と同じように海軍制限の精神を無視して、それまでなかった大拡張を行い、今や世界第一の海軍国となりました。

東の英国を凌駕(りょうが)し、西の日本の新進を妨げ、大々的に帝国主義を計画・実行し、世界の覇王たらんとしているのは何という矛盾でしょうか。実に帝国主義は、冒険進取を好むアメリカ人の天性に合致していると断言するしかありません。(続く)