その11 中国思想の次はインド思想を学びたい、それにはヨガがいい!

東洋医学の専門学校では、2年終了時に按摩マッサージ指圧師、3年終了時に鍼灸師の資格試験を受けることになります。私は3年間、一日も休まず専門学校に通学し、放課後は居合道・杖道の道場に通い、夜は鍼灸治療院でインターンを勤めるなどして、一心に研鑽に励みました(学生ですから、正月休みや夏休みは実家に帰っていました)。

振り返れば、綜學における大切な師との出会いは、この時期に集中していました。国学と大和言葉の河戸博詞先生や文明法則史学の村山節先生、東洋思想の安岡正篤先生です。これらの先生を紹介してくれたのは、専門学校の同期生とその同志の皆さんでした。

同期生とその同志の皆さんといっても、私より15歳から20歳近く年上の人生の先輩たちです。もしも一般の大学に進んでいたら、そこまで年上の同級生はいませんし、河戸先生や村山先生は市井の学者ですから、おそらく出会いのチャンスは無かっただろうと思います。国学や文明論の講座は、主に日曜日に開かれており、可能な限り足繁く参加しました。

専門学校を卒業するとき、学校側から「講師にならないか」という打診を受けました。筑波大学に鍼灸学校教員になるための理療科教員養成施設があり、その施設への入学を学校から推薦してくれるという話です。

大変光栄なことですが、私には次に学びたいことが決まっていました。それはヨガの研修です。鍼灸医学で中国思想を修めたので、次はインド思想だ。それには、やはり実学であるヨガの研修がいいと思ったのです。国学と大和言葉で日本、鍼灸で中国、ヨガでインドの思想を修得すれば、東洋文化が綜合的に分かるだろうという目論見です。

実は高校3年生の夏に、一週間ですが、静岡県三島市にある沖ヨガ修道場の合宿研修に参加しており、高校を卒業したらすぐにでも入門したいと願っていたのです。でも、その前に鍼灸医学等を学んでおこうということで、専門学校に通ったという経緯(いきさつ)がありました。そこで、推薦の話は丁重にお断りし、迷うことなく沖ヨガ修道場に向かいました。筑波大学で学ぶという経歴よりも、東洋への探究心の方が勝っていたのです。

ヨガ道場には1年と1ヶ月住み込んで、毎日修行に励みました。いわゆるヨガの行法はもとより、食事療法や身体の歪みを矯正する修正法、読経や瞑想、心身を浄める浄化法や全力を出し切る強化法など、朝から夜まで修行三昧でした。さらに、通常では体験出来ない鍛錬が待っていました。(続く)