その47 気象異変、食糧危機、そして文明交代期特有の異常心理に要注意

さて先述の通り、東西両グループの文明波を重ねると二重ラセンになります。800年毎に低調期と高調期が入れ替わって今日に至っているのです(周期交代)。その東西文明の交代期は約100年間続き、世界史激変の転換期となっています。そして、今度の交代期は、21世紀の今(1975頃~2075頃)です。

文明交代期には、民族大移動か、それに類する大変動が起きます。今から800年前はモンゴル軍の大遠征、1600年前はフン族やゲルマン人の大移動、2400年前はアレクサンドロス大王の東方大遠征、3200年前はドーリア人の大移動、4000年前はエラム人・アムル人の大移動によって、それまで栄えた文明が崩壊し、歴史に大きな区切りが付きました。

民族大移動の現場では、しばしば殺戮・略奪・暴行が発生しました。刃向かう男は殺され、めぼしい宝と食糧は奪われ、女はレイプ被害に遭います。

そうなる原因に、気象異変や、それに伴う食糧危機がありました。文明交代期特有の異常心理も影響します。興奮した飢餓状態の民族群が大移動を起こせば、老化した旧文明に猛然と襲いかかることになります。それによって、あっけなく滅び去るのです。

旧文明は、いわば内部の腐った大木のようなものです。大風さえ吹かなければ、そのまま立っていられるのですが、民族大移動という強い圧力が加わると、一気に倒壊してしまうことになります。

では、今回はどういう形で民族大移動が起こるのでしょうか。かつて村山節先生は、ソ連を中心とする東側諸国(共産主義体制の国々)の、西欧への侵入を憂慮されていました。

しかし、やがてソ連は自壊し、共産主義の国々は体制を変えていきました。その後、アメリカが一国で世界を牛耳るに及んで、覇権大国アメリカが文明交代期の膨張国家と化す可能性が指摘された時期もありました。

そのアメリカの衰退が明らかになった今、一番心配になってきたのがチャイナの膨張です。急速な経済発展を遂げ、短期間で豊かになった十数億の人民の、その生活に危機が訪れたときに、一気に民族大移動が発生するかも知れません。経済システムの崩壊による難民の大発生です。(続く)