その57 カ行音は溜めた息を強く出す。その意味は硬くて強い!

この5母音に、何らかの障害を加えると子音になります。ここから少々専門的な解説になりますので、発声の仕組みに興味が無い場合は、どうぞ読み飛ばして下さい。

カ行~ワ行の発声の仕組みは、次の通りです。

口腔の奥の部位(後舌面と軟口蓋の間)を絞り、溜めた息を強く出すとカ行音(軟口蓋音+破裂音)。上の前歯と舌先で調音し、摩擦させるとサ行音(歯音+摩擦音)。上の歯茎に舌先を当て、舌を離しながら溜めた息を強く出すとタ行音(歯茎音+破裂音、※「ち」と「つ」は摩擦も加わるので歯茎音+破擦音)。

上の歯茎に舌先を軽く当て、舌を離しながら鼻腔で息を共鳴させると(歯茎音+鼻音)とナ行音。喉の声門(左右の声帯の間の息の通路)を摩擦させ、息を口の外まで通すとハ行音(声門音+摩擦音、※ふ音は上下の唇の間で摩擦させるので両唇音+摩擦音)。上下の唇を閉じ、唇を離しながら鼻腔で息を共鳴させるとマ行音(両唇音+鼻音)。

口腔の前の部位(前舌面と硬口蓋の間)を絞り、緩やかに摩擦させて発声するとヤ行音(硬口蓋音+摩擦音)。舌を巻きながら上の歯茎に当て、離しながら弾くように発声するとラ行音(歯茎音+流音)。上下の唇を輪にしながら、軽く摩擦させるとワ行音(両唇音+摩擦音)。

これらの発音の仕組みによって、子音の各行に、以下のような意味が備わることになります。

溜めた息を強く出す破裂音のカ行音は、硬くて強い。舌先と歯を擦れ合わせる摩擦音のサ行音は、繊細・微細。舌を歯茎に打つ破裂音のタ行音は、高くて堂々。

鼻腔に響かせることで音が柔らかくなる鼻音のナ行音は、調和と一体化。調音点が最も奥にある声門音のハ行音は、勢いの良さと発現。丸く息を吐く両唇音+鼻音のマ行音は、真理・本質。

緩やかに口腔の前部を絞る硬口蓋音のヤ行音は、広がり(沢山)・安息・移り行く動き。舌を巻く流音のラ行音は、変化・活動。上下の唇を輪にする両唇音のワ行音は、円満・充足・完成。

言語学の用語による説明のため、少々分かり難かったかも知れません。でも、解説を読みながら実際に各音を発声してみて下さい。きっとご理解頂けると思います。(続く)