その125 人の為に励むほど幸せになり、世の為に働くほど成功する…

明治以来の教育は、国民を平均化させる性格を持ちました。近代国家建設のため、国民の資質・能力を揃える必要があったのです。

そして、この平均化教育と西欧的な個人主義が相俟って、自己中心的な私愚タイプや私智タイプが増えてしまいました。

しかし、希望はあります。公智タイプは基本的にどの国でも尊敬されており、教育において目指すべき方向であることに間違いはないからです。

蜀を建国した劉備玄徳や、南宋の武将である岳飛など、真っ直ぐな正義の士は、本国チャイナはもとより日本でも尊敬されています。公智タイプへの尊敬心は、決して失われるものではありません。

林塾では、国是三綱領の一つとして「高徳国家の建設」を掲げております。私愚タイプをまず公愚タイプへ、公愚タイプや私智タイプを公智タイプへ高めていくのが、高徳への道となります。現在のレベルに応じて、着実な成長を目指すのが綜學教育なのです。

さて、妬みや蔑み、怨みや怒りなどの感情が渦巻く人間社会を見ますと、人類の精神レベルは、随分未熟で低い段階にあるとしか言えません。人間は、まだ発展途上にあるというわけです。その中にあって、日本人は高いレベルにあるのですから、決して気持ちを折ることなく、世界のお手本となるよう努めましょう。

そうして、正直者が損をせず、真面目な者が報われる世の中、人の為に励むほど幸せになり、世の為に働くほど成功するという、本来の日本社会を共に創りたいものです。

なお、天皇を奉戴(ほうたい、中心にいただくこと)する日本は、ミナカの地位を野心家の智私タイプに取って代わられることの無い、素晴らしい仕組みを持つ国家であると言えます。

人の集まりにおいても、中心にいくほど私が小さくなっていくのが、日本的組織の基本形です。企業もそうであり、徳の高い経営をしている会社ほど、幹部より役員、役員より社長のほうが、公徳に生きる公智タイプとなるものです。そうでなければ老舗(しにせ)になれるものではありません。(続く)