その135 言ったからにはやる、やるからこそ言う。言うが成る、だから誠!

それから、短期の心得として、信用構築の必要性を述べておきます。とかく本音は行動に現れるものです。それも小事や細事に現れます。そこで、今出来る小事をやっているかどうかや、小さな約束を守れるかどうかが肝腎となり、それらを見れば信用に足る人かどうかが判明することになります。

どんなに大きな夢を描いていても、今出来る小事に全然取り組んでいないようでは、結局何も為すことなく終わる可能性が高いです。実際に行うのはまだ先だと考えて、今出来る準備を何一つ進めないまま過ごしていたら、もしもチャンスが来たとしても立ち上がることは難しいでしょう。日々の鍛錬や勉学、志の確認、情報の収集、資金の積み立てなど、天命に向かって今からやっておくべき事はいろいろあるはずです。

小さな約束としては、何気なく頼まれた事や、集合時間・締切日などを守ることが肝腎です。時間を大和言葉で「とき」と言います。「とき」の「と」は戸・閉じる・止まる・留めるの「と」で閉止を、「き」はきつい・厳しいの「き」で強烈・厳粛な様子を表します。即ち「とき」は、強く止まるもの・厳然と刻まれていくもののことであり、活動し躍動することによって強く刻まれていく足跡が時間(時刻)なのです。

そうであれば、何もしなければ時間は進みませんし、進化も止まったままとなります。それも、自分の時間をストップさせたままならまだしも、小さな約束を守らないことによって相手の時間をも阻害してしまったら、全治の進化を阻止してしまうことになってしまいます。日本人が時間を守るのは、共に「とき」を刻み合うことによってお互いの天命を成就し、全体の生成発展を図ろうとする悲願があるからです。

結局、信用の基本は言行一致にあります。言ったからにはやる、やるからこそ言う。そうして言うが成れば誠(まこと)となります。「武士に二言無し」と言うように、昔から日本人は信用の積み重ねを大事にしてきました。

小さな約束を守るというのは、言い換えれば小さな仕事をキチンとやり切るということです。そういう誠実な人のところに、やがて大きな仕事がやって来るものです。世間は、その人の「まこと」を確認し、責任感の有無を見て重要な仕事を頼んでくるというわけです。

兎に角、目の前の取り組みを立志大成に繋(つな)げていくよう心掛けましょう。二宮尊徳翁は「小を積んで大と為せ(積小為大)」と唱え、松下幸之助翁は「成功の要諦は、成功するまで続けるところにある」と教えました。

筆者は、この二人の教えを組み合わせ、「大きな成功の要諦は、小さな事を成功するまで積み重ねるところにある」と弟子たちに説いています。

それから、努力と結果の間に生ずるタイムラグにも注意しましょう。今日の努力が成果として現れるのは、来月かも知れないし来年かも知れません。努力が直ちに結果に繋がるのは、何事であれ少し慣れてきた初期の頃の話であり、先へ進むほど如何に努力しようが苦心しようが、なかなか進歩しない自分に苛立ちを感じる時期があります。そういうときこそ、努力と結果の間に生ずるタイムラグに負けてはいけないのです。

なお、3つの団子を貫いている串ですが、その一番元があるのが「原点」、つまり人生の種です。原点からきちんと伸びた串ならば、長期・中期・短期の3つの団子を、しっかり刺し通すことが出来ます。(続く)