その136 全体・核心・流れは、問題解決の綜學的視点

綜學の「ものの見方や考え方」の補足の続きです。物事の大局を捉える際の綜學的視点として、「全体を観る」、「核心を掴む」、「流れを読む」の3つを挙げておきます。略して「全・核・流」です。この3つは、問題解決に際してのご参考にしてください。

為すことが裏目に出て苦しいときや、上手く行かなくて悩んでいるときに、人はどうしても「ものの見方」が狭くなります。部分に囚われ、目の前しか見えず、消極的になって将来を悲観します。

そういうときこそ、全体を観ることが大事になります。全体といっても、なにも目が眩(くら)むほど高い所に立たなくて大丈夫です。今の位置より一段高い所に立つだけで、随分景色が変わってくるはずです。

深呼吸してから一段高い所に意識を置き、反対側から観てみたり、今まで見落としていた箇所に目を遣ってみたりしつつ、自分の“現在位置”を確かめてみましょう。

最初は何となくでも構いませんから全体が観えてきたら、次に「核心を掴む」ようにしてください。核心とは、問題の原因(出発点)であったり、解決のカギを握っているキーパーソンであったりします。それらを掴みますと、解決の糸口が見えてきます。

そこまで進んだら、冷静に「流れを読む」ことが可能になります。問題の発端から今日まで、どのように状況が展開してきたのか、そして今後はどうなっていくのか。このまま手をこまねいていた場合の最悪の事態は何であり、対応策を施したときの解決への見通しはどうなのか、などという流れを読むのです。応急手当を施す箇所と、取り敢えず放っておいて推移を見守ればいい(見守るしかない)事柄の分別も大切です。

あらゆる活動には波があります。無限に成長するということも、際限無く衰退するということもありません。短い時間で区切れば、成長も衰退も直線的に見えますが、長い目で観れば、陰陽循環の波動を描いているのが変化活動の基本です。陰陽循環を意識すれば、きっと流れを読み取れるようになります。

さあ、全体を観、核心を掴み、流れを読んだら、まず打つべき応急手当を施し、続いて根本療法へ向かいましょう。

これを鍼灸(しんきゅう)治療(ハリとお灸)に置き換えますと、次のようになります。

患部のみに囚われることなく、生活習慣を含めて身体全体を観察する。何が病気の原因であるのかという核心を掴んで、治療ポイント(ツボ所)を明確にする。最初に対症療法を施して痛みや辛さを軽くし、そこで気を抜くこと無く本治療法に移って根治を図る。

心得として、全快へ向かうには根気が必要であるということと、調子の良いときと悪いときの波を繰り返しながら治癒していくということを諭すことも大事です。(続く)