その137 視・聴・嗅・味・触、これら五感が基本となって第六感が機能する

「全体を観る」「核心を掴む」「流れを読む」。この3つは物事の大局を捉える際の綜學的視点であり、これらを働かせる際に必要となるのが直観です。直観は、第六感や霊感、インスピレーションとも言い換えられる認識です。

四観のところで述べたように、主観と客観はバランスが重要です。直観は、特に主観を生かすことで機能するのですが、主観のみに頼りますと、思い込みの当てずっぽうに陥ってしまう弊害があります。感じたままを重んずるのは基本的に良いことであるものの、子供の好き嫌いと同じ状態に偏らないよう注意が要るというわけです。

それを防ぐためには、客観でバランスを取らねばなりません。主観に偏向せず、固定観念や私意に囚われないよう客観的認識を加えるのです。

具体的にどうすればいいかというと、まず信頼度の高い情報に当たって、事実をよく調べましょう。根拠の無い偽情報に振り回されたり、感情的で悪意に満ちた意見に惑わされたりしないよう、冷静に客観力を働かせるのです。

それに合わせて、現地に足を運び、現場をよく観察することも忘れてはなりません。いわゆるフィールドワークであり、そのときに素直に作用させて欲しいのが五感です。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を上手く用いますと、主観・客観のバランスが取れてきて、直観が鋭敏に働くようになります。

現地に行ったら、見晴らしの良い所に登って全体を眺めます。現場においては、まず目で観、聞こえてくる音に耳を傾け、漂っている空気を嗅ぎ、水を(場合によっては安全なことを前提に土壌も)舌で味わい、踏みしめる足の感触や手に触れる感覚を、それぞれしっかり受け止めます。

やがて、その場の光や空気、人の雰囲気から、ピンと来るものを感じることになるでしょう。「何か変だぞ」と思ったら、一体それは何なのかを直観してみましょう。そして、余所(よそ)と比べて何が変なのか、前にも来ているなら前回と違う点は何なのかについて客観的に考察するのです。

なお、鋭敏な五感を保つためには、視覚では淡い色を見、聴覚では自然の音を聴き、味覚では薄味を味わい、嗅覚では天然の香りを嗅ぎ、触覚では繊細な手の感覚を生かすことが大切です。これら五感が基本となって第六感が機能するのであり、五感が上手く働くことで「素直な見方」が可能となってまいります。(続く)