その41 バラバラに戦っているだけだと、個人戦の寄せ集めにしかならない

いくら勇猛な兵士が揃っていても、バラバラに戦っていたのではダメです。軍全体として統括された戦いが出来るようでないと、個々の戦闘では勝っていたのに大局的には敗戦という結果になります。

また、兵士が大勢(おおぜい)揃っただけでもダメです。部隊編成と指揮系統が確立していないと、ちぐはぐな戦いとなって、やはり大局的には負けていきます。

勝利を個々の能力のみに求めているようでは、結局個人戦の寄せ集めにしかなりません。如何にして集団としての勢いを起こし、それを高めていくか。本篇には、その集団戦の勢いの養い方が示されています。

《孫子・兵勢篇その一》
「大勢の兵士を治めていながら、まるで少人数を治めているかのようであるのは部隊編成によるものである。大勢の兵士を戦闘させながら、まるで少人数で戦闘しているかのようであるのは指揮系統によるものである。

全軍の大勢の兵士が、敵軍の攻撃を受けても決して負けないのは、奇法と正法(の用い方)によっている。兵力を投入するのに、石を卵に投げ込むかのようであるのは、虚実を捉えているからだ。」

大勢の兵士…「衆」、少人数…「寡」、部隊編成…「分数」、指揮系統…「形名」、全軍の大勢の兵士…「三軍之衆」、兵士を投入…「兵之所加」、石…「?(たん)」(続く)