その55 無駄が無くて一丸、そこに勝利の基本がある

軍隊が、よく治まるかどうか。それは部隊編成にかかっています。部隊編成の原文は「分数」で、兵士の人数とその編成を指します。それが整っていれば、兵士が個々バラバラに乱れることはありません。

兵士が勇敢であるかどうか。それは戦力の勢いにかかっています。勢いは攻撃の速さや、チャンスを逃さない集中力が左右します。速さと集中力があれば、集団そのものに勢いが備わり、兵士が怖じ気づくということはありません。

そして、軍隊の強弱について。それは指揮系統が生きているかどうかにかかっています。先に述べた通り指揮系統は、目に見える旗や幟(のぼり)、耳に聞こえる鐘(かね)によって具現化されます。それらが的確に兵士の目に映(は)え、正確に耳に鳴り響くことで、士気が高まって軍隊は強くなるのです。

こうして自軍が、よく治まり、勇敢になり、強くなれば、上手に敵を操ることが可能となります。こちらが動く通りに、相手が従ってくれるようになるのです。

即ち、相手が喜びそうなエサを置けば、敵はそこに食い付いて来ます。敵が出て来たら、圧倒的に強い軍勢で迎え撃つから勝利は間違いなしというわけです。

大事なポイントは、部隊編成と指揮系統によって、軍隊全体が「一人の兵士」のように一体となっている点にあります。敵は手足がバラバラな状態で、動きに無駄が多くて隙だらけ。こちらは、無駄が無くて一丸。そこに勝利の基本があるのです。(続く)