その77 止むは病む、会社や組織も動きが鈍くなれば病んでいく

固定化されない生き生きした組織を、水の姿から学ぶという話の続きです。その一例に、時と場に応じたプロジェクトチームの編成があると述べましたが、もっと持続する組織を起こす際の要件について補足しておきます。

それは、生命体をお手本とする組織をつくる際に必要な条件のことです。そもそも水は生命の源であり、水に学べば自ずと生命体をお手本とすることになります。

生命体には、一体となって活動する統一性と、長く存続するための維持機能が備わっております。その基本が、下記3点の存在にあります。

その第一は「共通の目的」の存在です。どの生命体も、環境に適応し危険を避けて自己を守り、新陳代謝によって個体としての生命を維持し、子孫を残すことで種としての連続性を保つということを共通の目的に、全細胞・全器官が一致協力して全力を尽くしています。

第二は、それぞれの個性が余すところなく生かされ合っての「連係プレー」の存在です。脳には脳、胃には胃、手には手、足には足の個性と役割があり、それらが中枢神経の統御の下(もと)、全てが生かされ合うことで生命体は生き生きと活動します。

第三は、骨格と筋肉、組織器官の能力などが、一定レベルに揃っているという「全体のバランス」の存在です。人間誰しも、どこかに弱いところがあるものですが、可能な限り全身の調和が求められます。筋肉は強いが関節が弱い、心肺機能は優れているが胃腸が虚弱などということがあれば、何らかの症状がその弱点に現れ、体調が崩れることにもなります。

人間活動においても「共通の目的」「連係プレー」「全体のバランス」の3点が揃えば、組織としての生命力が高まります。会社ならば、共通の事業目的が共通言語となるまで全社員に浸透し、各員の個性・特性が生かされて連係プレーが行われ、一人ひとりが自発的に自己成長し、集団全体に過不足や弱点が無い(少ない)ところまでバランス力が高まっているかどうかです。

そうして、常に生き生きと活動することで、循環し続ければ“健康体”となります。大和言葉の「病む」は「止む」と同義であり、氣や血(けつ)の流れが止まり(滞り)ますと病んだ状態になってしまいます。会社や組織も、動きが鈍くなれば病んでいくわけです。(続く)