その102 世界は平和に向かうどころか、大規模戦争の準備を進めてしまっている

国際政治は、今も「力の原理」で動いています。その基本は軍事力にあり、力の空白が生ずれば、間髪を入れずに周辺諸国が攻め込んで来ます。従って「こちらに侵略の意図さえ無ければ、相手もきっと攻めて来ないだろう」などという期待は、あまりにも相手任せの理想論でしかありません。

また、大量殺戮兵器の発達した現代では、もしも戦争になったら世界全体が滅んでしまう。だから、もう戦争は起こらないという見解もありました。確かに、昔に比べれば簡単に戦争を起こせない時代になっていますが、相変わらず軍事力が有効であることは確かです。

軍事力というものは、実際に使わなくても脅しや威圧に効力を発揮します。そこに、軍事競争が止まらない要因があります。

世界は平和に向かうどころか、ハイテク戦争、サイバー戦争、宇宙戦争などが進展しており、むしろ大規模戦争の準備を着々と進めてしまっていることに警戒すべきです。誰も望まないのに戦争が勃発してしまう。それが800年毎の東西文明交代期に起こる現象であるということを知っておきましょう。

そこで、我が国としては、まるで切り立った尾根伝いに頂上へ向かうときのように細心の注意を払いつつ、国家の存立に国民一致して努力せねばなりません。だから兵法が必要なのです。

《孫子・九変篇その五》
「そこで、用兵の原則として、敵が来ないことを恃(たの)みにするのではなく、こちらに待ち構えたところの備えがあることを恃みにするべきである。また、相手が攻撃しないことを恃みにするのではなく、こちらに攻められない態勢があることを恃みにするべきである。」

※原文のキーワード
用兵の原則…「用兵之法」、敵が来ないことを恃みにしない…「無恃其不来」、こちらに待ち構えたところの備えがあることを恃みにする…「恃吾有以待」、相手が攻撃しないことを恃みにしない…「無恃其不攻」、こちらに攻められない態勢があることを恃みにする…「恃吾有所不可攻」(続く)