No.13 大きな事業をやりたいなら、求心力や磁力を起こせ

ただ動いているだけではどうにもならない

「林君、君には将来大きく活躍して欲しい。君の活動を発展させる上で、大切な心得を一つ教えよう。それは、動き過ぎてはいけないということだ。

本当に大きな事業をやりたいなら、求心力を起こすことが肝腎だ。自分はどっしりと構えており、そこに必要な人や金や情報が、必要なタイミングで集まって来る。そういう自然体でないと、本物にはなり難いのである。

まあ、若い内は体力や時間が十分にあるのだから、いくらでも動けばいいだろう。が、次第に求心力や磁力を高めていくよう心掛けて貰いたい。」

これは、筆者が二十歳の頃、ある先輩から言われた言葉です。そのときは「そういうものかなあ、でもただ座っているだけでは何も起きないのではあるまいか」というくらいにしか思えませんでした。

この先輩の教えと同じことを、老子も語っています。家から出なくても天下の動勢を知り、窓の外を窺(うかが)わなくても天体の運行を見よと言うのです。

居ながらにして感得する

《老子・第四十七章》
「戸を出なくても天下を知り、窓から窺わなくても天の動きを見る。そこから出ることがいよいよ遠くなると、知ることはいよいよ少なくなる。

そういうことから(道家の)聖人は、出て行かなくても知ることが出来、見なくても明らかで、為さなくても成るのだ。」

※原文のキーワード
窓…「※ワードに漢字無し」、窺う…「※ワードに漢字無し」、天の動き…「天道」、いよいよ…「彌」、明らか…「名」

「戸を出なくても天下を知る」というのは、家の中に居たままで天下の動勢を掴むことが出来るという意味です。「窓から窺わなくても天の動きを見る」は、外を見なくても天体の運行を捉え、天の理法を覚ることが出来てしまうという様子です。この居ながらにして感得するという働きにも、念子が関わっていると思うのです。(続く)