No.104 生きていれば活動し、活動すれば変化する

陰と陽は、密接に関わり合っている

物事を陰と陽に二分するのが陰陽論ですが、二つに分離・固定して終わりという考え方ではありません。陰と陽は、密接に関わり合いながら、力強く脈動し循環しております。

生命体を見て下さい。人間は自律神経によって生命活動が維持されていますが、その働きは、興奮を司る交感神経と抑制を司る副交感神経に分かれます。交感神経は陽の働き、副交感神経が陰の働きを受け持ち、それらのバランスで健康が維持されています。環境と場面に応じて、どちらが優位に働くかが決まるものの、アクセルとブレーキのように常に補い合っているのです。

脈動といえば、吸ったり吐いたりする呼吸や、収縮と弛緩を繰り返す心臓の鼓動も同じです。息を吸うのは交感神経を刺激する陽の呼吸、息を吐くのは副交感神経を刺激する陰の呼吸です。心臓の鼓動(心拍)では、収縮が陽、弛緩が陰による作用となります。また、人間が一生をかけて描くエージングの波も、陰と陽の働きが基になっています。成長が陽、老化が陰の働きです。

バランスを取り、調和を導くのが陰陽の思想

一個の生命体ばかりではありません。文明にも周期性があり、800年ごとに東西文明が交代しながら波動進化しているという事実が、文明研究の大学者、村山節(みさお)翁の研究で明らかにされています。

自然も絶えず変化し活動しています。動いている以上、そこに波動が起こり、その循環は昼と夜や夏と冬の巡りのように止(とど)まるところを知りません。宇宙も同じで、絶え間なく動き、猛烈な勢いで膨張しています。今こうしている間にも、宇宙のどこかで新しい星が誕生し、寿命が尽きた星が消滅しようとしているのです。

この活動力に満ちた森羅万象を、そのまま素直に捉えていくのが陰陽論です。生きていれば活動し、活動すれば変化します。それを、陰陽の循環で大きく掴(つか)んでいくのです。そうして、部分観に陥ることなく大局的に全体を捉え、さらに二極(陰と陽)のバランスを取りながら調和を導いていくのが陰陽の思想なのです。(続く)